1本丸ごと「貸切列車」どうやって借りる? 1万円台で借りられるケースも

列車1本を丸ごと貸し切る「貸切列車」。その運賃は高くなりがちですが、実は比較的安く借りる方法もあります。

JRの基本は「定員の9割分」だが…

 鉄道をはじめとした公共交通は通常、不特定多数の人が乗り合って利用するもの。しかし、会社の社員旅行や趣味グループの旅行など比較的まとまった人数で列車を利用するときは、「いっそのこと列車を丸ごと貸し切りたい」と思うこともあるのではないでしょうか。

 グループで列車を貸し切ることができれば、車内は見知った顔ばかり。ほかの客に気兼ねすることなく、おしゃべりしたりすることもできます。ただ、時刻表には貸切列車の詳細が記されておらず、列車を借りるといくらくらいかかるのか、はっきりしません。 JRの場合、貸切列車の運賃は「車両定員の9割に相当する人数分」が標準的です。仮に高崎線の上野~高崎間101.4kmで普通車5両編成(全体の定員は400人と想定)の貸切列車を走らせるなら、上野~高崎間の運賃は1940円ですから、1940×400×0.9=69万8400円が標準的な金額ということになります。 ただ、貸切列車の運賃は条件によって大きく変わります。たとえば、貸切運賃の最低額は50km分とされていて、50km未満の短い区間で貸切列車を利用する場合でも50km分の貸切運賃を払う必要があります。実際に乗る人数が定員の9割を超える場合、乗車人数に応じた運賃が必要。特急用の車両やグリーン車を貸し切る場合、基本的には特急料金やグリーン料金も追加で払う必要があります。 これ以外にも、さまざまな制約があります。列車ごと貸し切る場合、原則的には、車両の数が5両以上にならないと貸し切ることができません。観光列車などで使われている特定の車両を指定して貸し切ることは可能ですが、その車両の仕様や性能、運用のスケジュールなどによっては、希望の路線や区間で走らせることができない場合があります。 JRの貸切列車の申し込みは、実際に運転する日の9か月前から2か月前まで、旅行会社などで受け付けています。ただ、列車の運行計画をまとめるのには相当な時間と手間がかかりますから、できるだけ時間に余裕を持って申し込んでおいた方がいいでしょう。とくに特定の車両を貸し切ろうとするなら、早めの相談が必要です。

安く借りるキーワードは「短い列車」

 このように、JRの貸切列車はさまざまな制約があり、運賃も相当高くなります。数人や数十人のグループで貸し切るのは難しいと考えた方がいいでしょう。しかし、短い編成の列車が多い地方私鉄や路面電車などでは、数人規模のグループでも利用しやすい価格帯で貸切運賃を設定しています。

 東京都交通局が運営している路面電車(都電荒川線)の場合、貸切運賃は片道1回につき1万3820円。ちょっと頑張ればひとりでも貸し切れる程度の金額です。10人のグループなら、ひとりあたり1382円で利用できます。 車内での飲食が原則禁止されているなどの制約はありますが、1両の定員は約60人(このうち座席は20人)ですから、10人ならゆったりとした気分で移動できます。ちなみに、都電荒川線では通常の車両からレトロ調の特別車両まで5タイプありますが、希望するタイプの車両を貸し切ることも可能です。 地方私鉄の銚子電鉄(千葉県)は2両編成の電車を運転していて、列車を貸し切る場合も2両×1編成単位になります。基本料金は80人までの場合で1往復5万4400円。20人で利用するなら、ひとりあたり2720円です。ちなみに、この基本料金には乗車当日の1日乗車券などが含まれています。たとえば、貸切列車に乗車したあとに1日乗車券で一般の列車に乗り、沿線を観光することも可能です。 とくに経営の厳しい地方の鉄道では、増収策の一環として低価格の貸切列車を運転しているケースもあります。グループ旅行の計画を立てている方は、旅先にある地方鉄道の運営会社に貸切列車の詳細を問い合わせてみるのもいいでしょう。 なお、いずれの鉄道路線も一般の定期列車や臨時列車を運行しており、貸切列車はそれらの列車の合間に運転することになります。そのため、希望の時刻から外れた時間帯でしか運転できない場合がありますので注意しましょう。列車の本数が多い路線や区間では、そもそも貸切列車を運転できないこともあります。

【写真】新幹線を貸し切る! 修学旅行列車

0

externallink関連リンク

理由は「高性能すぎる」 新型車両開発中止 新たな長距離列車、2020年夏までに導入へ 個室やノビノビ座席など用意 JR西日本 京急初の「一般向け貸切プラン」誕生のワケ 選べるルート、一般車両を「非日常空間」に
externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)