タコの習性を利用したタコ漁、プリプリのタコ飯、三重県鳥羽市はタコが名産

三重県の南部に位置する鳥羽市は漁業が盛んで、四季それぞれの漁が行われていますが、特にタコ漁は1年を通じて行われています。また、三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台となった神島では、タコ漁に使う多くのタコ壷が積み上げられているのを見ることができます。鳥羽市内の漁港では、寒くなる季節になるにつれて天日干しになって足を広げているタコがそこかしこで見られます。

■タコの習性を利用した漁法

タコ漁は、素焼きの壺(最近はプラスチックらしいです)を海底に沈めて1日2日置いておくと、壺の中に生きたタコが入っているという漁法です。この漁法はタコの習性を利用したもので、天敵の多いタコは、岩場の隙間や、海底のちょっとした穴などを好んで身を隠します。その習性を利用して隠れ家になるタコ壺を海底に沈めることで、そこに潜んだタコを捕らえるのがタコ漁です。

年間を通じて行われるタコ漁でも、旬になるのが夏にかけての「ノボリダコ」と秋から冬にかけての「オチダコ」。伊勢海老を食べて育ったプリプリの身のタコは、三重県の誇る名産品の一つです。

■タコ飯、タコかつバーガー・・・タコグルメ

プリプリのタコを使った、鳥羽の郷土料理がタコ飯。タコとご飯を一緒に炊き込んだり、煮たタコをご飯に混ぜたりしたものです。タコは、生のものを入れたり、干したものを戻して入れたりと家庭や地域によって様々な調理法があります。タコから出た旨味がたっぷりご飯に染み込み、海の味が広がります。

また、神島の宿、『潮騒の宿 山海荘』ではたこかつバーガーといって、タコかつをハンバーガーにしたものが売られており、神島の名産の一つになっています。

■タコにまつわる特別展、11月まで開催中

鳥羽市立海の博物館ではタコにまつわる信仰や願掛けを紹介する特別展が、11月25日まで開催されています。全国各地にはタコ薬師やタコ地蔵などの信仰が残り、近年では合格祈願の対象にもなっているそう。このような地域信仰などの他、タコにまつわる伝承などが解説される特別展になっています。タコ漁や食文化についても紹介されているとのことです。

【筆者プロフィール】
1987年生まれ。三重県出身、25年間三重県で過ごした後、現在は東京在住のライター。上京した際に、豊富な観光資源をもつ三重県が知名度が低いことにショックを受ける。三重県の魅力を日々発信するべく、三重県の情報メディアを運営中。

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