雨の街長崎が温かな色で包まれる「長崎紫陽花(おたくさ)まつり」

長崎市民が最も愛している美しい紫陽花を世界に紹介したのは、鎖国時代、医師として来日したドイツ人シーボルトです。自然科学の研究にも情熱を注いだシーボルトは、日本滞在中、数多くの植物の採取と調査、分類を行っています。その活動の中で、彼は、ある紫陽花に、愛する日本女性の名「おたくさ」とつけました。

長崎の名所を彩る「長崎紫陽花まつり」

長崎では、市の花を紫陽花と定め、今は品種の隔てなく、全ての紫陽花を「おたくさ」あるいは「お滝さん花」とも呼んで親しみ、例年5月から6月にかけて(今年は5月26日~6月17日)、街並みを紫陽花で飾る「長崎紫陽花(おたくさ)まつり」を開催しています。

長崎紫陽花(おたくさ)まつり

長崎紫陽花(おたくさ)まつり

今年も、4,000株の紫陽花が眼鏡橋や出島、グラバー園で美しさを競っていました。雨に打たれながらも健気に咲く楚々とした姿に加え、シーボルトとお滝さんとの物語が、紫陽花を一層ロマンチックなものに思わせ、今も人々を魅きつけています。

鎖国の時代、海外との唯一の窓口だったのが長崎です。長崎は坂の町。外国人居留地にある坂道は「オランダ坂」とよばれ、周辺には東山手洋風住宅群があり、異国情緒漂う景色を楽しめます。

長崎紫陽花(おたくさ)まつりオランダ坂

長崎紫陽花(おたくさ)まつりオランダ坂

オランダ坂を下り、南山手地区を訪れエレベーターで上に登ると、

長崎紫陽花(おたくさ)まつり南山手地区エレベーターと猫

山の斜面に張り付くよう建てられた住宅街とまるで鶴が美しく羽を広げた「鶴の港」と呼ばれる長崎港を一望できます。街の景観に船の出入りが溶け込み、豪華客船が出入港する瞬間には、まるでビルが自分の足元を移動するかのような大迫力を体感することができます。

長崎紫陽花(おたくさ)まつりと長崎港

長崎紫陽花(おたくさ)まつりと長崎港

小高い丘にあるグラバー園でも紫陽花がところどころに花を咲かせ、築150年以上の木造洋風建築旧グラバー住宅と紫陽花越に臨む美しい港の味わい深い風景を見ることができました。

長崎紫陽花(おたくさ)まつりとグラバー園

鎖国時代、唯一西洋との貿易が許されていた出島があった場所では、当時の街並みが復元され、シーボルトが愛した紫陽花が色を添えています。

長崎紫陽花(おたくさ)まつりと出島

長崎紫陽花(おたくさ)まつりと出島

現存する日本最古のアーチ型石橋「眼鏡橋」も、華やかな紫陽花に彩られていました。

長崎紫陽花(おたくさ)まつりと眼鏡橋

悲しみの歴史を超え光に輝く長崎の街

長崎紫陽花(おたくさ)まつりと平和公園
雨の街長崎。原爆投下という深い悲しみの歴史を抱え、平和への願いと祈りにあふれる街です。紫陽花に彩られた街を散策し、特別な空気感に包まれた平和公園を訪れ、

長崎紫陽花(おたくさ)まつりと長崎の夕景

稲佐山から燃えるような夕焼けとまばゆい光に輝く長崎の街を見ていると、今まで経験のないような安らぎを感じ、自身から生まれてくる様々な心の声を聴くことができるでしょう。

長崎紫陽花(おたくさ)まつりと長崎の夜景

撮影・文 / Shimazaki

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