インターネット上でバーチャルな県 度会県が誕生し県民を募集

8月の中旬に、『度会県(わたらいけん)』という県がネット上で県民の募集を始めました。ご存知の通り日本の47都道府県に度会県という県はありません。度会県はかつて三重県に、明治時代まで実際に存在していました。廃藩置県で明治4年に誕生した度会県は、現在の南勢地方、現在の津市の一部から伊勢、尾鷲、熊野などを含む三重県の南部地域を指します。

明治元年から数えて150年となる2018年に、インターネット上に度会県が復活。県民を募集している、ということ。インターネット上でバーチャルな県が誕生、というと何やらネット上の企画のように感じてしまいますが、度会県はれっきとした三重県の公式の取り組み。度会県のHPの問い合わせ先には、『三重県 地域連携部 南部地域活性化局』と県庁の部署名がしっかりと書かれています。

三重県の南部地域は、進学・就職を機に多くの若者が県外に転出。日本各地で起こっている問題ですが、ご多分に洩れず人口減少、高齢化が大きな問題となっています。それを解消すべく、総務省の『関係人口創出モデル事業』の委託を受けて実施されたのが度会県の取り組みです。

関係人口とは、実際にその地域に住む「定住人口」ではなく、また観光としてやってくる「交流人口」でもなく、地域や地域の人々に多様な関係を持つ者のことを指します。地域課題の解決や、将来的な定住人口の増加も期待されているとのこと。

度会県のHPにいくと、度会県民に電子登録することができます。実際にやってみたところ、県民番号が記載されたバーチャル県民証が発行されました。なお、筆者の県民番号は2桁番台でした。今後、度会県民同士のつながりを作る機会が作られたり、県民参加型のプロジェクトが実施されるそうです。記事執筆現在では、『九鬼かいぞく学校』プロジェクトとして東京大学学生、大学生、九鬼町近隣の高校生を対象として募集が行われていました。三重県尾鷲市九鬼町でフィールドワークが行われるとのことです。

県外の人であっても地域に関係でき、筆者のように県外に出てきた人間にとっても故郷に関わることができるのは面白い取り組みでしょう。ただ、実態としてどういった取り組みなのかいまいち見えづらいのが正直なところです。ぜひ、三重県に関わる人が増える取り組みとして、広がっていってほしいと思います。

 

【筆者プロフィール】
1987年生まれ。三重県出身、25年間三重県で過ごした後、現在は東京在住のライター。上京した際に、豊富な観光資源をもつ三重県が知名度が低いことにショックを受ける。三重県の魅力を日々発信するべく、三重県の情報メディアを運営中。
※筆者twitterへのリンクは関連リンクより

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◆筆者のtwitterアカウント https://twitter.com/bonebreak999
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