
8月中旬から9月にかけて三重県津市の久居地区で『久居梨』の出荷が始まります。津市の久居地区は、県下最大の梨の生産地。久居梨は大玉で甘みが強く、豊富な水分が特徴。この時期から全国に向けて発送されます。また、久居の国道165号線沿いで直売所が出ていて、生産地から直接買うことができます。
子どものころは夏休みも終わりになると、直売所で買ってきた梨を味わうのが定番でした。夏の暑い時期に、冷やしたみずみずしい梨の果肉はたまりませんね。
■毎年品質向上の品評会が行われる久居梨
久居梨は久居地域や高茶屋地域、伊勢湾の河口付近の香良洲(からす)地域などで生産されています。毎年8月には、JA三重中央が品評会を行なっており、2018年は栽培農家から28点が出品され、知事賞などの優秀賞が決められました。今年は例年に比べ雨量が少なかったこともあり、甘みのしっかりとした梨が多く育ったそう。
品評会は梨の品質向上のために毎年行われており、三重県中央農業改良普及センターの職員らが糖度や硬度、形状や玉揃いなどを計測。味わいなどを審査の上、上位3点を選出します。その後、直売所にきたお客さんが試食した上で入賞者が決まります。
■久居梨の歴史と品種
久居梨は明治時代の末期から栽培され、伊勢湾台風で激しく潮を浴びた土地に唯一生き残った作物であるといわれています。それ以来、三重県内で最大の生産地として毎年生産されています。
8月中旬から下旬にかけては『幸水』、9月中旬には『豊水』という品種がメインで生産されます。幸水は歯ごたえがあり、みずみずしくシャリシャリした食感が楽しめる品種。豊水は柔らかい果肉で、幸水よりひとまわり大きい品種で、果汁がしたたり落ちるほどのみずみずしさ、幸水に比べて酸味があります。
■観光農園で久居梨を堪能
直売所だけでなく、梨狩りができる観光農園もあります。
津市高茶屋にある『山口観光ぶどう梨園』では、有機質肥料と減農薬で人に優しい農法でつくられた梨等が時間無制限で食べ放題。
必要なものはすべて貸し出されるので、手ぶらで入園でき、果物狩りが楽しめます。
【筆者プロフィール】
1987年生まれ。三重県出身、25年間三重県で過ごした後、現在は東京在住のライター。上京した際に、豊富な観光資源をもつ三重県が知名度が低いことにショックを受ける。三重県の魅力を日々発信するべく、三重県の情報メディアを運営中。
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