【高校野球】初戦は無安打の横浜・万波 「潜在能力は抜群」も…育成のプロが指摘する課題

■横浜は初戦快勝も4番は無安打2三振、野村克也氏の”右腕”松井優典氏が求めるのは「発揮能力」

 第100回全国高等学校野球選手権記念大会の第5日、第1試合で強豪・横浜(南神奈川)が登場し、愛産大三河(東愛知)に7-0で快勝した。2ランを放った斉藤大輝内野手(3年)らが前評判通りの高い能力を発揮し、12安打7得点と活発だった打線の中で、プロ注目の打者の一人である万波中正外野手(3年)は4打数無安打2三振。初戦で結果は出なかったが、高い潜在能力を持つ主砲について、プロはどう見たのか。

 名将・野村克也氏の“右腕“としてヤクルト、阪神、楽天でヘッドコーチや2軍監督を務めた松井優典氏は「今日は攻守に渡ってあまり目立つところがなかったですね。期待はしていますが、評価は難しい試合でした」と振り返る。では、ドラフト候補でもある万波の現在地とは…。

 松井氏は「潜在能力はやはり抜群のものがある」と言い切る。「技術的にはグリップをやや低く構えて、それによって逆にバットのヘッドの走りが良くなっている」。まずは打撃の長所を挙げた上で、1ボールからチェンジアップを打ち、右飛に倒れた第1打席について「横浜はデータを重視するチームなので、相手のピッチャーを想像した中での打ち方。つまり、どういう打ち方をすればいいかという意識の中で変化球に詰まっている。考え方とすれば、内容については悪くない」と分析した。ただ、同時に「課題」も感じるという。

「3番の斉藤君あたりと比べると、思い切りのなさが出てしまっている。潜在能力の高さと、それをどういうふうに発揮するかという“発揮能力”、その2つの能力があって初めて結果になります。そう考えると、万波君は“発揮能力”というところが今後の課題です。2打席目の空振り三振、第3打席の三ゴロとか、この試合ではスイングが全て中途半端になってしまっていました。ヘッドの走りがいいのだから、そんなに必死になってピッチャーに向かっていくことはない。もっと自分のペースでバッティングするということが大切だと思います。

 一番気になったのは守備。最初はセンターを守って最後にライトに行きましたが、守っている万波君の姿が“見えない”ということです。打球が自分より遠いところ、例えばセンターを守っていて打球がライトに行った時にスタートする動きが弱い。潜在能力としては高いのですが、そういう部分は今後の課題になるでしょう。

 今後の課題は、結果を出すための考え方、ここが勝負どころだという“読み”を含めた取り組み、などになってきます。配球の読みはもちろんそうです。そちらの方の能力が備わってきた時に、潜在能力が結果として表れてくるはずです。ドラフトでは、プロでは時間がかかるかもしれないが素材の良さを取るのか、というところで各球団の意見が分かれるところでしょう」

■光った横浜の地力「斉藤君や他の選手の能力の高さには驚き」

 大会直前でベンチ入りを掴み取った南神奈川大会では打率.542、2本塁打、12打点と爆発したように、ハマれば何があるか分からない。松井氏は「初戦がこういう結果だっただけに、次の試合のほうが逆に楽しみです。1本出たら一気に行きそうな感じもします。一皮剥ければ、という期待感は大きい」とも話す。

 万波のバットから快音は響かなかったものの、横浜は快勝で2回戦へと駒を進めた。攻守両面で実力を見せつけた斉藤をはじめ、総合力の高さに疑いの余地はない。

「斉藤君や他の選手の能力の高さには驚きました。今回は優勝候補筆頭の大阪桐蔭を中心に回ると思いますが、横浜には対抗できるチーム力があるのではないでしょうか。渡辺元智前監督から引き継いだ平田徹監督は、自分のカラーを意識した中での戦いを考えているという風に見えます。横浜のベンチにこれだけ1年生が多いというのも珍しいと思いますが、そのあたりも変化を求めているように見えます」

 2回戦では昨夏王者の花咲徳栄と激突する。まずはベスト8進出までが険しい道のりとなっているが、頂点までたどり着くためには、4番の万波の“覚醒“も必要不可欠となる。(Full-Count編集部)


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