
三重県は、『実はそれ、ぜんぶ三重なんです!』というPRのスローガンを掲げています。
まさに三重県にぴったりなこのスローガンですが、裏を返せばこれは、三重県発祥と認識されていない観光資源がそれだけ多くあるということ。三重県の観光地でも最大の知名度を誇る伊勢神宮や鈴鹿サーキットですら、県外の知人に聞くと「えっ、それ三重県にあったの!?」とよく言われます。
特に顕著なのが食べ物で、愛知県のものだと思われがちな『天むす』『ひつまぶし』そしてなんと『味噌カツ』まで、実は三重県発祥なのです。これは、三重県出身としては非常に悔しい。この記事では、そんな『実は三重県』の一つを紹介します。
渋谷駅のシンボルの一つであるハチ公像ですが、三重県津市にある久居駅にもハチ公像があることをご存知でしょうか。
ハチは、飼い主である上野英三郎博士を毎朝渋谷の駅まで見送り、博士が帰宅する時間になると再び駅に迎えに行っていました。そんな日々を送るうち、上野博士は大学の講義中に倒れてしまい、帰らぬ人になりますが、上野博士が亡くなってからもハチは夕方になると渋谷駅に出かけ、上野博士の帰りを待ち続けたのです。そんな忠犬ハチ公の名前は長く語り継がれることとなり、博士が亡くなった9年後の1934年に渋谷駅前にハチ公像が建立されることとなりました。
その忠犬ハチ公の飼い主、上野英三郎博士は、実は三重県久居の生まれなのです!
全国的どころか、地元である久居でもその認知度はあまり高くなく、PRとして久居駅前にハチ公像が建立されました。渋谷のハチ公像と違うのは、ハチ公の隣にスーツを着た上野博士が立っていること。お互い仲良く向き合う上野博士とハチ。ハチのエピソードを知っていると思わずほっこりしてしまいます。
渋谷のハチ公像前で待ち合わせるときにはぜひ、「ハチ公の飼い主は三重県出身なんだぜ」と教えてあげてください。
【筆者プロフィール】
1987年生まれ。三重県出身、25年間三重県で過ごした後、現在は東京在住のライター。上京した際に、豊富な観光資源をもつ三重県が知名度が低いことにショックを受ける。三重県の魅力を日々発信するべく、三重県の情報メディアを運営中。
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