「空の巣症候群」にならないために、子どもが小さいうちから準備をしよう

子どもが成長して心にぽっかり穴があいて、さまざま不調が現れる「空の巣症候群」。子育てに頑張ってきた真面目な人ほどなりやすい、といわれています。寂しさとむなしさにつぶされないために、子どもが小さいうちから少しずつ心の準備が必要です。

「空の巣症候群」とは

子育て真っ最中の時代には「早く自由になりたい」と思うものですが、想像してみてください。いざ子どもが大きくなって、親の出番がまったくなくなったら…?子どもの成長がうれしいのと同時に「寂しいだろうなあ」と思いませんか?
子どもが成長して巣立つ時期といえば私たち母親はちょうど更年期です。ただでさえ心も体も不安定になりがちな時期に、追い打ちを掛ける寂しさ、むなしさ。そんな気持ちに飲み込まれてしまって、さまざまな不調が出ることを「空の巣症候群」といいます。

「空の巣症候群」症状は心と体に表れます。病院でうつ病や自律神経失調症と診断されることもあるそうです。
精神症状…いいようのない寂しさ、不安感、虚無感(むなしさ)
身体症状…肩こり、頭痛、吐き気、食欲低下、不眠など
つらさから逃れるためにアルコールに依存する人もいるそうです。

子育てに一生懸命なほど「空の巣症候群」になりやすい?

「空の巣症候群」になりやすい人を調べてみると「子育てが生きがいの真面目で内向的な良妻賢母タイプ」だそうです。チェックリストを作ってみました。

□「常に」自分のことは後回しで子ども優先
□人付き合いをするより、家にいたい
□これといった趣味がない
□本音をいえる友達がほとんどいない
□夫に心を許せない、育児はワンオペ状態

いくつか当てはまるようならば、将来の「空の巣症候群」予備軍かも知れません。

空の巣症候群を予防しよう

大切に育てていた子どもが巣立つ、子育て期間の終了で寂しく悲しい気持ちになるのは、人としてあたりまえの感情ですが、それでつらくなってしまうのは避けたいものです。子どもが小さいうちから、ちょっと意識して予防することをおすすめします。

子どもと仕事以外の「生きがい」を用意しておく
空の巣症候群は「母親」という役割を失うことへの喪失感も大きな原因のひとつと考えられています。
役割を離れても「自分」でいられるように、子どもの手が離れたら挑戦したい、打ち込みたいことをいくつかキープしておきましょう。
好きなこと・好きなものを大切にすることは、自分自身を大切にすることにもつながります。
子育てで忙しい今はあまりできなくても、いつかできる日はちゃんと来るんですよ。

夫と一緒に子育てをする
子育てが終わった祭りの後の寂しさ、ひとりぽつんと取り残されるからつぶれそうになるのです。
大変な子育ても、そのあとの寂しさも、夫と2人で分かち合うことができたら…それはそれですてきな第二の人生になりそうです。
今が大変だからだけでなく、将来の自分たちのことも考えて、子育てをシェアすることをおすすめします。

友達を作る
ママ友という子どもを解した友達や、仕事がらみの友達ではなく、利害関係のあまりない本当の意味での友達がいる人は強いです。
ただ、影で悪口を言い合ったり、同調圧力を感じるような集まりとは距離を置いた方がベター。

自分を褒める
だんだん子どもの手が離れていくのは寂しいものですが、子どもが育っているのは親が頑張ったから、という面もあります。
もしも今ちょっと空の巣気味だなと思ったら、「頑張っている私は偉い」と自分を褒めてあげるようにしましょう。

時には遠い未来を眺めてみよう
子育て真っ最中の今はまだ、将来子どもが巣立つ時なんて想像ができないかも知れません。でも、子育てを卒業する日は必ず来ます(そうでなければ困りますよね)。
いつかそういう日が来ると想像しておくだけでも、狭くなりがちな視野が広がり、心の風通しが少しよくなるんじゃないかなと思います。

(文・曽田 照子)


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