
栃木県益子町で2018年4月28日(土)から5月6日(日)の間、益子の陶器市が開催されました。徒歩で気軽に移動できる範囲の大通り沿いに店舗が集まる益子は、陶器市になると町全体がお祭りムードになります。1966年に始まり、現在、春、秋の年2回開催されている益子陶器市は、今回でなんと101回目です。
益子町内の販売店約50店舗に加えて、約500もの陶芸作家や窯元の職人たちによる出店があり、伝統的な益子焼から、カップや皿などの日用品、美術品まで販売されるものはさまざまです。
陶器市は広い範囲で開催されていますが、メイン通りは「城内坂通り」。通りの両脇には1kmほど陶器市のテントが並び、個人の作家さんや陶芸体験ができる大きな店舗の商品まで様々です。また、雑貨や花、特産品、農産物や飲食物の販売も行われ、一日いても時間が足りないくらい盛りだくさん、まさに益子の一大イベントです。
益子周辺は、洗練された感度の高いレストランやカフェも多く、陶器市の会場から一歩踏み出して、雑踏から抜け出し、益子の自然を楽しみながらゆっくりした時間を過ごすこともできます。
歴史を感じる藍染の老舗「日下田藍染工房」
多くの陶器のテントを巡る途中で、以前から訪問したかった「日下田藍染工房」を訪れました。
陶器市に合わせて藍染や益子木綿の商品が展示販売されていました。日下田家は、江戸時代寛政年間(1789?1800)創業の紺屋で、藍甕が72個あります。
さわやかな5月の風に、歴史を感じる藍染や草木染めの美しい生地が軽やかに揺れ、一服の清涼感を味わうことができます。
関東最大の登り窯「古釜いわした」
「古釜いわした」は、創業慶応弐年の古い窯元で、関東最大の登り窯を見学することができます。
益子で最古の登り窯、
もうひとつは関東で最大のもので、どちらも町指定の文化財です。震災でかなり壊れてしまい、以前からお願いしていた釜を直す職人さんが廃業してしまった為、修復に難儀しましたが、なんとか職人さんを見つけ、ボランティアの方々の支えもあり無事修復できたとのことです。
陶芸の里益子のシンボルともいえる迫力ある登り窯を見ていると、先人から続く器に込められている作家の想いや熱意、火や土の匂いなど自然との深い関わりを改めて感じることができました。
(つづく)
撮影・文 / Shimazaki