飛行機の客室乗務員、「スチュワーデス」と呼ばなくなったワケ 外国では「CA」通じない場合も

かつて飛行機の女性客室乗務員は「スチュワーデス」と呼ばれていましたが、現在は色々な呼び方をされています。なぜ「スチュワーデス」と呼ばなくなったのでしょうか。また「CA」という呼称も、世界では通じないことがあります。

なぜ「スチュワーデス」と呼ばなくなったのか?

 かつて、多くの航空会社で女性客室乗務員は「スチュワーデス」と呼ばれていましたが、現在この言葉は使われていません。日本では「客室乗務員」「CA(シーエー)」「キャビンアテンダント(Cabin Attendant)」と称されているのを、よく耳や目にすると思います。 昔は、海外でも女性客室乗務員を「スチュワーデス」と呼んでいました。なぜ、「スチュワーデス」は使われなくなったのでしょうか。

「スチュワーデス」が使われなくなったのは、かつて男性客室乗務員の総称だった「スチュワード」という言葉に関わります。この言葉は、語源に差別的な要素が含まれるとする見方があること(諸説あり)、また「スチュワーデス」はその女性形で「性差別用語」でもあるとして、差別の是正が世界的に叫ばれるなかで使われなくなっていきました。 JAL(日本航空)では、1996(平成8)年9月まで「スチュワーデス」という職位と呼称が存在。スチュワーデスの上位職が、アシスタントパーサー、パーサー、チーフパーサーでした。同社によると、同年10月からこれらの職位の呼称を変更するタイミングで、客室乗務員の呼称が「フライトアテンダント」に変更されたといいます。しかしこの言葉は浸透せず、現在は「客室乗務員」「キャビンアテンダント」「キャビンクルー」「CA」と複数の呼称が存在しているそうです。 ANA(全日空)では、「スチュワーデス」という言葉を1987(昭和62)年まで使っていましたが、前年の国際線進出と男女雇用機会均等法施行に合わせて変更し、「客室乗務員」と呼ぶようにしたそうです。現在、社内では「客室乗務員」「CA」が多く使われるといいます。 日本の航空各社のウェブサイトを見ると、「客室乗務員」との表記が一番多いものの、ジェットスター・ジャパンが「キャビンクルー」、バニラエアが「フライトアテンダント」、JALとANAは「キャビンアテンダント」とも称するなど様々でした。

外国では「キャビンアテンダント」が通じないことも

「CA」は、JALとANAでは「キャビンアテンダント(Cabin Attendant)」の略としています。運航乗務員(コックピットクルー)を「CC」と略すのに対して使われている言葉でもあります。しかし外国において、「キャビンアテンダント」は航空会社の客室乗務員を表す英語として、一般的ではないようです。

 私(宮崎佳代子:元キャビンアテンダント・ライター)は「スチュワーデス」が使われなくなったあとに何度かこの言葉を外国人に使いましたが、いずれも理解されませんでした。「キャビン」という英単語は、船の客室や小屋などを表す言葉でもあり、「アテンダント」は、案内係、世話係などです。したがって、外国人は「キャビンアテンダント」とだけ聞いて、すぐに航空会社の乗務員と結びつかないようでした。 そのため私は、外国人に対しては「フライトアテンダント」という言葉を使っていました。「フライト」がついていることで、航空会社とわかります。しかし、私の在籍していた社では「キャビンクルー」「キャビンアテンダント」でした。「キャビンクルー」は、世界中の航空会社でよく使われているので耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。「キャビンアテンダント」は、かつてJALで先任客室乗務員(チーフパーサー)を務めた人物によると、日本で生まれた言葉で、1970年代、すでにこの言葉が同社で使用されていたそうです。 ちなみに、乗客からはどう呼ばれることが多いのか、JALとANAに聞いたところ、JALは「CAさん」「客室乗務員さん」「キャビンクルーさん」、ANAは「CAさん」が多いとの答えでした。呼びやすい言葉を使えばいいことと思いますが、私はCA時代、名前で呼ばれるのが一番嬉しかったです。

【写真】青だったこともあるJAL客室乗務員の制服

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