
「2014年の世界の夢の旅行先9選」に日本で唯一ランクインした栃木県足利市の「あしかがフラワーパーク」では、2018年4月14日(土)から5月20日(日)まで「ふじのはな物語~大藤まつり2018」を開催中です。
園内でとりわけ大きな存在感を示すのが「奇跡の大藤」です。
1968年、栃木県足利市堀込町に開園した「早川農園」は、1997年に都市開発のため、現在の足利市迫間町に移設、「あしかがフラワーパーク」 としてオープンしました。「早川農園」には「250畳の大藤」として愛されていた樹齢130年の大藤がありましたが、園の移設で移植を余儀なくされました。当時これほど大きな藤の移植は不可能といわれましたが、女性樹木医第1号の塚本こなみさんが見事に移植を成功させ、世界中の藤愛好家を驚かせました。棚面積600畳敷き(約1000㎡)に成長した「奇跡の大藤」を目の当たりにし、困難を乗り越え咲き誇る藤の艶やかな色と力強い幹に圧倒され、大きな優しさに包まれたように胸が熱くなります。
そして夜の闇が深まると、園内は妖しいまでの美しさ!色鮮やかに光輝く大藤、
闇に浮かぶウエディングドレスを纏ったような清らかな白藤、
魅惑のトンネルを彩るきばな藤が、非現実の世界を創り出します。
水面には、多種多様な色の藤が姿を映し、光に揺らめく様の何と幻想的な光景!
昼と夜、光の移り変わりにより、次々と表情を変える藤は、世界中の人を温かく迎え、優しく包み込みます。まさに、藤の花言葉「優しさ」、「歓迎」そのものです。時には降り注ぐ雨のように静かに花を垂れ、時には花火のように光を放つ、古くから日本人の心を掴み、世界から愛される藤の世界に魅了された夢のひとときとなりました。
撮影・文 / Shimazaki