
震災から4年経った2015年3月、石巻線が全線開通し女川駅が再開しました。白い大きな屋根はウミネコをイメージして作られており、明るく柔らかな印象を与えます。2階には温浴施設「女川温泉ゆぽっぽ」も併設されていて、施設内には復興の願いを込めたタイルアート「家族樹」が飾られています。この女川駅が「ウミネコが羽ばたく町のシンボル」となっています。
美しい茶色い建物が連なる商店街「シーパルピア女川」
女川駅が再開した同年12月に、海へとのびる遊歩道沿いにテナント型商業施設「シーパルピア女川」が再建されました。
低層の茶色い建物が連なる商店街が続き、飲食店から段ボールなどを扱う資材包材店、ダイビングショップや薬局、美しい花々に彩られた花屋など多種多様です。
途中、相喜フルーツ店に入り、目移りするぐらい新鮮な野菜や果物の品揃えの中から真っ赤に熟した石巻産の苺をい購入しました。
世界三大漁場の漁業の幸がいっぱい「地元市場ハマテラス」
スロープを下ると2016年12月に開業した女川町物産センター「地元市場ハマテラス」に到着します。「世界三大漁場の一つ」といわれる三陸沖はすぐ目の前です。
「ハマテラス」は、鮮魚や水産加工品を中心とした女川町の特産品の販売、旬の魚介類やスイーツが楽しめる多彩な飲食メニューと、手作りオーガニック石鹸の販売・製作体験など「海」をコンセプトにした8店舗が入る施設です。
ハマテラスでいただいたのが「女川丼」。マグロにいくら、生しらす、ハマチ、エビ、めかぶ、サーモンなど、その日の水揚げによって盛られた逸品はとても新鮮で、あら汁も魚の身はふっくらで絶品です。食後には、先ほど手に入れた石巻いちご!春の香りがいっぱいです。
ハマテラスを出ると、色々な彩りで散りばめられたスペインタイルの壁に目を奪われます。これは、シーパルピア女川の店舗「みなとまちセラミカ工房」の代表阿部鳴美氏の「色を失くした女川の町をスペインタイルで明るく彩りたい!」の想いが実現したものです。
スペインの材料と技法を使い、1枚1枚手描きで色付けし焼き上げ、高温で焼き付けるタイルの絵柄は、色あせることなく女川町を次々と彩っていくことでしょう。ワークショップにて、参加者がコースターを2枚制作し、1枚を手元に、自身がサインしたもう1枚を女川町に使用していただけるようです。
「きぼうの鐘」と新たな未来
旧女川駅舎に、設置されたからくり時計には4つの鐘がついており、電車の発着を告げ、人々に親しまれていました。震災後のガレキの山から、女川駅にあったからくり時計の鐘が奇跡的に1つだけ完全な状態で見つかったことから、仮設商店街のシンボルとして展示され、商店街の名称になりました。
シーパルピア女川の海を臨む入口に、復興のシンボルとして新たな「きぼうの鐘」が設置されていました。女川町のスローガン
「あたらしいスタートが世界一生まれる町へ。」
女川町は、新たな未来に向けて確実に時を刻み始めています。
撮影・文 / Shimazaki