
福島県会津若松市にある鶴ヶ城は戊辰戦争の舞台となった白壁が美しい名城。2011年に黒瓦から、戊辰戦争当時の”赤瓦”に吹き替えられたため、より一層当時が偲ばれる姿となっています。
会津のシンボル的存在の鶴ヶ城(会津若松城)は、約1000本の桜が咲く会津随一の桜の名所であり、早朝訪れたこの日も、鶴ヶ城と桜は見事に調和していました。ソメイヨシノを中心にさまざまな種類の桜が植えられており、少しずつ時期をずらして咲く桜を長く観賞できます。
大内宿こぶしラインを通り、会津若松から大内宿に向かいます。葺屋根の民家が建ち並び、江戸時代の景観が大切に保存されていて、全体の景観が見事です。約400年以上前、江戸時代には運搬路として重要な道であった会津西街道(日光から会津につながる)の参勤交代で江戸へ向かう大名や旅人の宿場町として栄えました。ここまで当時の状態で残っているのも、明治以降、主要な交通道路から外れるなど時代の変化が大きく関係しているそうです。
大河ドラマなどでも撮影に使用されるのも納得で、展望台からの全景はまさに江戸時代の宿場町そのもの。
大内宿といえば、「ねぎそば」が有名です。数ある蕎麦屋さんの中で、選んだのは美味しいお餅も楽しめる「こめや」。ねぎは箸代わりに添えられたもので、ねぎを使ってそばを掬うのは慣れないと難しいかもしれませんが、薬味として少しずつかじりながらコシの強い風味満点の蕎麦をすすると最高の味わいが楽しめます。
この独特の文化「ねぎそば」は、長野県の高遠そばが会津の地で広まった事から始まり、「ネギのように細く長く、白髪の生えるまで長く生きる」というお祝いの意味も込めて、ねぎを添えるようになったそうです。
お蕎麦の後は、当時のお茶屋を想い起こすような雰囲気の中、
つきたてのきなこ餅を幸せな気分で味わいました。
(つづく)
撮影・文 / Shimazaki