【Mr.ボーラ 心の風車】人生という名の一日

人生という名のアルバムの中に、人は誰でも「人生という名の一日」という特別な一日があるものだと思う。
それは思い出す度に心がキュンとして、心の琴線を人肌の温かさで包んでくれる、そんな一日。

小学校高学年時代の私は近所の遊び仲間と近所にあったグランドで野球を暗くなるまでしていたのが日常だった。。
特に冬の頃の野球は体を温めるまで汗をかき、寒風で悴んだ指は泥に塗れながらミスを何度も呼び込んでいた。でも暗くなるまで休む事なく楽しい仲間との野球は続いていた。

野球を終えて帰ると泥と汗で真っ黒になった私を迎えてくれたのはいつも玄関の前に置かれてあったバケツ。そのバケツには湯気が上がり温かいうす緑色のお湯が入ってあった。
悴んだ指を入れると何とも言えない幸福感が漂い、指はその温かさに命をぶり返し、ほうれん草を茹でたうす緑色の残り湯が冬の香りを辺りに漂いさせていた。

「母さん、ありがとう」と心に刻んだ。

母は厳しい人だったが、バケツを満たしたほうれん草の茹でた残り湯の様に温かい心根の人だった。
ほうれん草を見ると思い出す。あのバケツの湯気に揺れる亡き母の事。

少年時代からもう何十年も経つけど私の心に刻まれた「人生という名の一日」は褪せる事なく今も私の心を温めてくれている。

≪Mr.ボーラ≫
あの伝説のコラム、ボーラの囁きが帰ってきました。
多くの方の心に染みる風を運んだボーラ。
暖かく優しく切ないボーラの言葉が今日のあなたの一日を豊かに運んでくれると思います。