クロマグロ完全養殖、実際のところはどこまでいっているのか

日本では高級食材として知られるクロマグロですが、近年の新興国の和食ブームなどもあり、乱獲で急減、漁獲割り当ての減少によって天然のクロマグロの確保が難しくなってきています。

そして2018年から罰則付きの漁獲規制が導入されたこともあり、安定供給が期待できる完全養殖に注目が高まっています。水産大手は各社とも天然資源に頼らない完全養殖マグロの将来性は大きいとみており、続々と参入を本格化させています。

先日、水産大手の一角である日本水産が、クロマグロの完全養殖事業において、具体的な出荷目標を公表しました。同社は、今月から出荷を開始し、2018年度に350トン、2019年度に1,000トンの出荷を行うとしています。

完全養殖のクロマグロと言うと、近畿大学が2002年に世界で初めて成功したことで話題になりましたが、その近畿大学が豊田通商と設立した合弁会社ツナドリーム・五島が大量生産を可能にし、出荷を始めたのが2014年。マルハニチロが2015年、極洋が2017年に出荷を開始しました。日本水産が本格参入したことで、水産大手3社が出揃った形です。

その規模はどの程度なのでしょうか。極洋は、2017年度60トン、18年度200トンの出荷目標で、マルハニチロは今年度400トンの出荷見込みとしています。パイオニアである近大・豊田通商は2020年の出荷目標を3,000トンとしています。合計すると、2020年に6,000トンに届く位でしょうか。

一方で、日本のクロマグロ流通量は、2016年度で約4万7千トンなので、流通量が横ばいとして、完全養殖によるクロマグロ比率は、現在の約1%から2020年には12%強に拡大する見込みです。

近大が1970年代から研究を始めたことを考えると、ここ2010年代後半の伸びは驚異的です。スーパーや外食店に年間を通じて安定供給できるレベル、とまではなかなかいきませんが、出荷量は着実に拡大しており、今後も目が離せません。


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