
桜の時期、京都では魅力的な春のライトアップが行われています。
東北への祈りを込める…東寺の「不二桜」
なかでも東寺の「不二桜」と呼ばれる八重紅枝垂れ桜は圧巻。春期特別公開では、東北、盛岡生まれの不二桜に、東北への祈りを込めた夜桜ライトアップ(3月17日~4月15日)が行われます。闇に浮かび上がる五重塔と幻想的に揺らめく枝垂れ桜は夜しか見られない特別な風景です。
夜桜と国宝・鳳凰堂の荘厳な姿は極楽浄土
平等院鳳凰堂では、今回初めて春に企画された夜間一般公開(4月5日~4月9日)が行われました。鳳凰堂が創建された平安時代後期は大地震や飢饉に見舞われ、人々は鳳凰堂が表現する華やかな極楽浄土の世界に救いを求めていたそうです。それから1000年近くが経った今もなお自然災害や争いごとの絶えない現代に、鳳凰堂を前に手を合わせ、平穏な時間を過ごせるように、全国及び海外からの訪問者が祈りを捧げていました。夜桜と共に国宝・鳳凰堂の荘厳な姿が浮かび上がり、まさに極楽浄土の世界を目の当たりにしました。
京都の春の風物詩を平安神宮で
平安神宮では、平安遷都1200年記念事業の一環として京都新聞が1989年より開催している『平安神宮 紅しだれコンサート』(4月5日~4月9日)が今年も開催され、京都の春の風物詩となっています。尚美館と名物の紅しだれ桜が、色の違うライトで照らされ東神苑の栖鳳池に浮かび上がっています。
なんとも幻想的な光景。。。
コンサートといっても席は無く、演奏される雅楽や弦楽に耳を傾けながら、ライトアップされた神苑の庭園や桜を眺め散策します。4月5日は、日本を代表する雅楽師である東儀秀樹の雅楽を聴きながら、様々な国の人々が穏やかな笑顔で夢のような世界を満喫していました。
京都におけるインバウンドの急激な増加は、多くの課題を残している現実はありますが、世界に誇る国際観光都市の見本になるべく、古都京都の新たな挑戦は歴史と伝統を守りながら続いていくのでしょう。
筆者:澤口美穂。カナダへのワーキングホリデー、グアテマラ留学含め、約2年半北米、中米、南米を中心に周遊。帰国後、ヨーロッパ本社の外資系企業日本法人2社で勤務し、アジア、ヨーロッパへ数多く出張。20代からの訪問国数は約30か国以上。平成28年、生活拠点を東京から札幌に移す。様々な国の人々と共に働いてきた経験や自分の想いを形にした新しいビジネスと人生のセカンドステージを構築中。