
(写真は野菜の成長に最適な空間を作り出すパッシブハウスで栽培した収穫前のホウレン草)
株式会社地域経済活性化支援機構(REVIC)は、中小事業者等に対する事業再生や成長支援等を通じ、地域経済の活性化を図っています。2016年4月に起きた熊本地震において被災した事業者の復旧・復興支援を目的として、REVICのファンド運営子会社(REVICキャピタル)と九州の地方銀行18行等によって九州広域復興支援ファンドが組成されました。今回、REVICの土屋立暢さんに、熊本での復旧・復興支援活動についてお話を伺います。
熊本出身の土屋さんは高校卒業後に東京の大学に進学して以降、東京に在住しています。その後、仕事で頻繁に熊本に訪れるようになり、熊本の豊かな自然に触れ、農作物や肉、魚などあらゆる食べ物の美味しさを再確認したそうです。「阿蘇からの伏流水が豊富にわき出ているため、水も本当においしいです。」また、温泉好きのため「市内からさほど遠くないところに様々な泉質の温泉があり、巡るのが楽しみ」だそうです。
REVICは、2016年4月の熊本地震の後、翌5月には熊本事務所を開設しました。被災地の地域金融機関や地方公共団体を訪問し、被災状況やニーズの把握に努め、7月には九州の全地方銀行、ゆうちょ銀行、及び地域経済活性化支援機構が、震災により直接的または間接的に被害を受けた事業者を対象に「九州広域復興支援ファンド」を組成したそうです。総額約116億円にものぼるファンドからの投資を通じて、九州に本店・支店等を持つ事業者の復興と成長を支援しています。
(写真はホウレン草の収穫に精を出す土屋(手前)とメンバーの杵鞭)
「子供の頃、熊本市内のアーケード街を歩くと、平日でも多くの人出があり、活気にあふれていました。街に行くことが楽しかったことが思いだされます。現在は震災後の復興需要もあり、一定の活況を呈していますが、これが落ち着くと、震災前のように人口の高齢化と減少、経済の衰退という現実に迫られると思います。」地方創生の施策として大事なことは、日本国民が前向きに、自身が取り組める範囲で知恵を絞り、活性化をしていくことだと土屋さんは話します。
「現在は、本気で取り組む気持ちと実現したい構想があれば、それを実現するための様々なサポート、応援などを得やすい時代です。九州広域復興支援ファンドもその一つ。活性化は一朝一夕ではできないことで、かつての熊本の活気を取り戻すには多少の時間がかかるかもしれません。しかし、目の前のことから一歩一歩取り組んでいくことが、より良い熊本に繋がると信じて、一緒に活動していきたいと思っています。」
今回、土屋さんに熊本の魅力や復興支援活動への想いをお聞きしました。次回は、ファンド投資先1号となった株式会社ビタミン・カラーが行っている「パッシブハウス」によるホウレン草栽培について、さらに詳しく話を伺う予定です。