
株式会社地域経済活性化支援機構(REVIC)は、中小事業者等に対する事業再生や成長支援等を通じ、地域経済の活性化を図っています。専門的なノウハウを持った人材の派遣と資金提供によって、観光・ヘルスケア・ベンチャー・グロース等、地域の経済成長を牽引する事業者を支援しています。
平成28年の熊本地震において被災した事業者の復旧・復興支援を目的として、REVICのファンド運営子会社(REVICキャピタル)と九州の地方銀行18行等によって九州広域復興支援ファンドが組成されました。REVICはREVICキャピタルを通じて、そのファンド第1号投資である熊本県熊本市の「株式会社ビタミン・カラー」に対して、資金提供だけでなく専門人材を派遣し、経営陣とともに経営課題の解決に取組んでいます。
株式会社ビタミン・カラーは、農業県熊本においても革新的といえる「パッシブハウス」によるホウレン草の周年栽培に取り組んでいる会社です。「パッシブハウス」とは、ハウスで光・水・風という3つの要素を自動制御し、最適な栽培環境をつくる仕組みで、葉物野菜の中でも生産が難しく単価が高いホウレン草を周年栽培し、農家の収入増額や安定供給を目指しているといいます。また、この取組みは、生産委託契約を締結した契約農家へ 種苗・資材等の提供や生産施設等を貸与することで、契約農家の経費削減や生産性・効率性を上げることも目指しており、休耕地の有効活用、新規就農者を増やすなど、今後の日本の農業が抱える課題解決の一助となると考えているそうです。
REVICからのハンズオンチームは経営アドバイスだけでなく、ビタミン・カラーの立ち上げ当初は、早朝5時から作業着に長靴の服装でホウレン草の収穫を手伝ったそうです。コンサルタントや公認会計士などのメンバーも、改めて農業の大変さを肌で感じるとともに、同時にその素晴らしさ、尊さを感じているといいます。
ホウレン草は気温に敏感であり生産が難しく、また農家の高齢化も相まって生産者が減少し、その結果として生産量が年々減少しています。そのため、近年市場価格も高値で推移しています。ビタミン・カラーの取り組みは、パッシブハウスを使用しホウレン草の周年栽培を行っていくので、昨今の気温や気候変動の影響も受けにくく、ホウレン草を生産・安定供給することができるということです。。