自動車大手、5年連続ベア実施へ=安倍首相の要請を重視

2018年春闘で、賃上げのリード役となる自動車大手の労使交渉がスタートした。経営側は14日に労働組合から出された要求を受け、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を5年続けて実施する方向で検討に入る。安倍晋三首相が「3%以上の賃上げ」を経済界に要請したことを重視しているためだ。
電機大手の労組も15日までに要求書を提出。大手企業の経営側は3月14日に一斉回答する。
自動車総連傘下の大手労組は今回、ベア相当分として月3000円をそろって要求した。17年春闘でも同額を要求し、1000~1600円のベアを獲得した。総連の高倉明会長は要求の一斉提出を受けて東京都内で記者会見し、「各組合が要求に込めた思いを実現すべく、最後まで交渉していく」と述べた。中小労組の賃金水準の底上げにつなげるため、ベアだけでなく、定期昇給相当分を含めた賃上げ額をこれまで以上に重視する方針。長時間労働の是正や非正規労働者の賃金改善にも取り組む。
全トヨタ労働組合連合会の山口健事務局長は愛知県豊田市で記者会見し、経営側の姿勢について「人への投資に一定の理解はある」と語った。
経営側は「政府の方向性は踏まえつつ、競争が激化する中での(事業環境の)見通しについて労使で議論し、これから決めたい」(ホンダの倉石誠司副社長)という姿勢で共通している。ベア実施で固定費負担は5年連続で増え、国際競争力にも響くだけに、厳しい交渉が予想される。株安や円高が加速する懸念も減益リスクとして経営者心理に影を落としており、政府が求める大幅な賃上げが実現するかどうかは不透明だ。
〔写真説明〕記者会見する高倉明自動車総連会長=14日午後、東京都港区


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