世界初、走りながら撃てます! 乗員わずか2名「ドイツ生まれの未来の自走砲」イギリスが欲した切実な理由

造船”建造量2倍”どう実現する

イギリスは2023年以降、ウクライナ支援のためAS-90自走砲を全数提供しましたが、ようやく後継自走砲の受注契約が結ばれました。

イギリス陸軍、「次世代自走砲」を72両発注

 イギリス国防省は2026年5月13日、ドイツ製の無人砲塔型155mm自走榴弾砲「RCH155」72両を総額10億ポンド(約2100億円)で調達する契約を締結したと発表しました。この金額には購入代金に加えて、初期訓練や運用支援の費用も含まれるとのことです。

 イギリスは以前、装軌式(いわゆるキャタピラ駆動)の155mm自走榴弾砲「AS-90」を運用していましたが、ロシアに国土を侵攻されたウクライナに対し、全数を供与しています。その後、緊急の代替措置としてスウェーデン製の装輪式(タイヤ駆動)155mm自走砲「アーチャー」を購入すると、2024年には正式な後継車両としてRCH155の導入を決めています。

 RCH155は8輪駆動の「ボクサー」装輪装甲車をベースに、砲身長約8mの52口径155mm榴弾砲を搭載した無人砲塔を組み合わせています。装填や射撃は完全自動化されており、わずか2名で運用できる点が特徴です。世界初の走行間射撃が可能な自走砲であり、最大100km/h出せる機動性とあわせて、戦場での生存性が高い自走砲と言えるでしょう。

 なお、英国防省のプレスリリースでは「毎分8発、最大射程70km先の長距離火力」を発揮可能であると述べています。155mm榴弾砲としては異例の70kmという射程はドイツとイタリアが共同開発した特殊な高性能砲弾「ボルケーノ」を使用した場合の数値を示していると思われます。

 最初の納入は2028年に予定されており、2020年代のうちに最低限の展開能力を獲得することが計画されています。