政府・与党が、日本を出国する人から一律1000円を徴収している国際観光旅客税(出国税)について、2026年度中に3倍の3000円以上に引き上げる案を検討していることが13日、分かった。一部は将来的に5倍の5000円を課す。増収分はオーバーツーリズム(観光公害)対策の強化に充てる。年末の税制改正作業で具体的な引き上げ幅を議論する。
自民党の観光立国調査会は13日、出国税を26年度中に3000円に、ビジネスクラスとファーストクラスではシステム改修に要する期間などを勘案した上で5000円に、それぞれ引き上げるよう求める決議をまとめた。
出国税は19年に導入された。仕事や旅行で海外に行く日本人も支払いの対象となるため、税額が引き上げられれば、コロナ禍前の6割程度の水準にとどまる日本人出国者の回復に水を差す可能性がある。このため政府はパスポート発行手数料を引き下げる案も検討している。
〔写真説明〕成田空港(千葉県成田市)の出発ロビーで、荷物を持って列を作る乗客ら=資料(AFP時事)

