群馬県上野村で8日、日航機墜落事故の発生から今年で40年を迎えたことを受け、記念シンポジウムが開催された。事故を取材したノンフィクション作家・柳田邦男氏が基調講演。発生時、消防団員として現場に入った村議会の松元平吉議長が当時の様子を語ったほか、パネルディスカッションなどが行われ、安全への思いを村の文化とする方針が示された。
柳田氏は大事故において、1980年代から刑事罰の立証よりも原因究明が重視されるようになったと解説。また、再発防止のためには、原因究明だけでなく現場や物品を保存し、関係者の思いも含めた事故の全体像を伝えていくことも必要だと述べた。
パネルディスカッションには、遺族の会「8・12連絡会」事務局長の美谷島邦子さんのほか、JR福知山線脱線事故の負傷者家族らも参加。美谷島さんは「(安全のためには)加害者と被害者が、どこかで手をつながないと。伴走してくれた上野村から発信したい。安全は願ったり祈ったりするものではない」と発言を締めくくった。【もぎたて便】
〔写真説明〕「安全の文化」をテーマに発言するパネルディスカッション参加者=8日、群馬県上野村

