コメ、26年は711万トンへ減産=主食用、備蓄へ買い入れ再開も―農水省

 農林水産省は31日、農業政策について議論する食料・農業・農村政策審議会(農水相の諮問機関)の食糧部会を開き、2026年産の主食用米の生産量が711万トンになるとの見通しを示した。農家の作付け時の目安となるもので、25年産の748万トンに比べ37万トンの減産となる。鈴木憲和農水相は就任以降、前政権の増産方針を転換する意向を示していた。
 生産量見通しは、インバウンド(訪日客)の増加なども考慮して需要量が最大で711万トンと見込まれると予想し、「余裕をもって設定した」という。鈴木氏は「需要に応じた生産」を主張しており、供給が需要を上回り、米価が下落することに強い警戒感を示している。
 また農水省は、昨年夏以降のコメ不足で停止していた政府備蓄米の買い入れを、来年から再開する方針も示した。37万トンの減産には、備蓄米の買い入れ再開が影響していると説明。政府が毎年実施していた買い入れの停止で、25年産は備蓄米用の多くが主食用の生産に振り替えられたとみられ、主食用米が増加した。しかし、来年買い入れを再開する21万トン分は再び備蓄米向けとして生産されるため、主食用米は反動減になると見込む。
 鈴木氏は同日の記者会見で「今年と比べれば少し減るように見えるかもしれないが、生産現場の皆さんにとってはトントンに感じてもらえる量だ」との認識を示した。 
〔写真説明〕農林水産省=東京都千代田区

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