パラパラ感ある注目の味噌 奄美大島「お茶うけ味噌」

鹿児島県は、大きく分けると、二つの地域に分かれます。
一つは、九州の最南端の桜島を挟んで薩摩半島と大隅半島がある本土。もう一つは、種子島や屋久島から、沖縄県本土のすぐ北にある与論島までを全てひっくるめて離島と呼びます。鹿児島の料理と言えど、南北に600kmと広範囲に及ぶ県ともなれば、地域によって様々な郷土料理があります。

鹿児島の離島粋・奄美大島地域の郷土料理とされるものに、「お茶うけ味噌」と呼ばれるものがあります。厳密には、郷土料理という表現は正しくなく、「お茶うけ味噌」とはその地域周辺で作られる味噌、およびその味噌で作った味付け味噌の事で、調味料の一種といえるかもしれません。

普通の味噌が蒸した大豆をペースト状につぶして味噌として仕込みのに対し、「お茶うけ味噌」は粒の残った粗びきの味噌をそのまま仕込みます。味噌として仕上がった後も、ひきわり納豆の様な粒で、一粒一粒が分離したパラパラした触感が最大の特徴です。そして、塩分も普通の味噌よりマイルドに仕上がっている場合が多く、より大豆の味を感じられます。全国的には「つぶ味噌」と呼ばれる分野の味噌です。

「お茶うけ味噌」という名のとおりお茶うけの食品として用いられていますが、そのまま食べたり、お湯やお茶に振り入れて楽しむ方もいますが、このパラパラ感を活かしたお惣菜を作る事が多いです。

鹿児島の名物として有名な豚みそも砂糖とてお茶うけ味噌を炒めて作ると、普通の味噌で作るよりカリカリとした味噌の食感と、豚肉の香ばしさをより感じられる一品として仕上げられます。またその他にも、ピーナッツ味噌や、そのままをゴーヤや季節の野菜のあえ物にくわえるば場合も多く、地域に根付いた調味料とも言えます。

昨今、全国区のテレビなどで紹介されて、健康食品として受け売れられつつある「お茶うけ味噌」。離島限定の地元食材という枠にとどまらず、本土の人間にも学校給食などでもよく取り入れられて、とても身近な食材の一つなのです。

externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)