商業捕鯨の再開目指す 日本の捕鯨を取り巻く環境の変化

鯨過激な抗議活動で知られる、自然保護団体のシー・シェパードが8月28日、同団体の公式サイト上で、今シーズンの日本による、南極での調査捕鯨への妨害を行わないことを発表しました。シー・シェパード(以下SS)は南極海において日本の調査捕鯨船に体当たりをしたり、薬品の入ったビンを投げつける等の抗議活動を2005年から毎年続けてきました。

創設者のポール・ワトソン氏は、今回活動を断念した理由として、「日本は軍事用の監視技術により、衛星を使って我々の船をリアルタイムで監視している。SSの船の動きが常に把握され攻撃を回避されてしまう以上、妨害活動続行は不可能」としてSSには対抗し得る技術力、資金力は無いとコメントしたといいます。また、7月に施行された所謂「テロ等準備罪」について、同団体の活動を妨害する内容であるとして強く非難しています。更に公式に反捕鯨が立場をとっているオーストラリアやニュージーランド、アメリカ等の国々の政府に対しても、経済的な配慮からの日本への譲歩があるとして「敵対的政府」という強い表現をとっています。

一方、日本は今年6月に超党派による議院立法によって、国内初の鯨類調査のための法律として「商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査の実施に関する法律」を成立させました。鯨類の科学的調査は国の責務であると謳うこの法律は、鯨類調査の継続実施や予算措置、調査によって得られた鯨類についての科学的知見と鯨食等の文化を国内外への普及に努めることの他にも、調査への妨害がなされた場合の調査実施主体への支援や外交措置等、政府の関わり方についても盛り込まれました。妨害行為を行うおそれのある外国人の入国管理についても内容が及んでおり、調査目的以外でも鯨類の捕獲に携わる和歌山県太地町等の例についても適用されるとのことです。

何よりも、商業捕鯨の再開を目指すことと、それについての国の責任を明記した法律が成立したことは国内の捕鯨関係者に歓迎され、期待が高まっています。しかし、国際世論においては反捕鯨の声も根強く、国際社会の枠組みの中で日本がいかに協調しながら捕鯨についての舵を切るのか国内外の注目が集まっています。

[写:Naoharu@flickr]


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