何かとやっかい者だけど? 高知県 地元の味「イタドリ」

初夏から夏にかけて、高知県民がよく目にする植物の一つに、「イタドリ」があります。イタドリはタデ科の多年草で、竹のようにフシがある植物。日本全国大抵の場所で見られる植物ですが、その繁殖力は強く、成長は十数センチ、最終的には2mほどにもなります。しかも、地下茎を伸ばして群生して成長する為に駆除が難しく、帰化した欧米では、生態系を脅かす外来植物として認定されているということです。

何かとやっかい者扱いのイタドリですが、高知県民はこれを食べる習慣があります。一番簡単な方法は生食。田舎暮らしの子供なら一度は経験があるはずです。道端に生えているイタドリの若芽を折り採って、表面の薄皮をむいてそのままかじってみると、酸っぱい酸味が口の中に広がり、何とも高知の夏らしい味です。

ただ、この酸味の元は、ほうれん草と同じシュウ酸が原因で、たくさん食べると体によくありません。そのため、大概は加熱して調理します。熱湯に晒してあく抜きをすれば、独特の酸味とえぐみは完全に抜けますので、ゼンマイやわらびと同様に調理ができます。

ちりめんじゃこやたけのこと一緒に炒め煮にしたり、酢の物やサラダ、時にはご当地グルメの「田舎寿司」の具材になったりします。シャキシャキした食感が、いつまでも後を引く料理になります。現地の人々は梅雨の前後にイタドリを収穫して回り、あく抜きしては冷凍保存か塩漬けして長期保存します。イタドリは、高知では忘年会やお正月に食卓に並ぶ、地元の味です。

[写:Melissa McMasters@flickr]

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