第319話 訪日外国人緩和で観光回復へ 今後の「航空機需要」に注目

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、下町のお茶屋さんで投資談義を行っています。


T:世の中で円安・ドル高が進んでいます。9月7日には、一時1ドル=144円90銭台と、1998年8月以来24年ぶりの円安・ドル高水準を記録しました。この傾向はしばらく続くでしょうか?

神様:円安の背景は、海外の主要国・地域ではインフレを抑制するため金融を引き締めているのに対し、日本では大規模な金融緩和を続けており、相対的に低金利の円が他の通貨に対して売られやすいことがあります。米国は、米連邦準備理事会(FRB)が政策金利のフェデラルファンド(FF)金利を今年3月に0.25%、5月に0.5%、6月に0.75%、7月に0.75%と4回引き上げました。今後、9月20日から21日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)後にも0.75%引き上げると予想されています。一方で日本では、今後も大規模な金融緩和を続ける可能性が高いです。そのため当面は円安・ドル高傾向が続くと考えられています。引き続き、今後の動きを注視していきましょう。

T:ところで、9月13日に東京都でコロナ感染者数の全数把握が見直されることが発表されました。また一歩”コロナ後”へと進んでいきますね。

神様:非常に良いことです。経済再開も一層進んでいきます。岸田首相が8月31日の記者会見で発表した通り、9月7日より日本への入国者数の上限は5万人に引き上げられました。また、添乗員を伴わないパッケージツアーによる入国については、すべての国からの入国が可能となっています。今後は1日当たりの入国者数の上限撤廃や個人旅行の解禁など、さらなる緩和が進んでいくものとみられます。

T:いよいよ、訪日外国人観光客の回復が期待できますね。

神様:日本人の出国者数も増えています。推計値ですが、2022年7月の日本人の出国者数は前年同月比で6.4倍の27.8 万人に拡大しました。これは前月と比べても1.6倍の拡大です。また、民間航空機の運航も回復傾向にあります。世界のジェット旅客機運航機数は2019年末で24,015機でした。2021年末は、一部保管機を含んで24,055機となりました。

T:増加していますね。今後も増え続けるのでしょうか?

神様:日本航空機開発協会では、2041年末には運航機数が41,358機に拡大すると予測しています。

T:え、そんなに増えるのですか?

神様:思い出してほしいのですが、世界の人口は現在増加傾向にあります。現在の人口は78憶7500万人ですが、国連によると2050年には90億人を超えると予測(第312話 コロナ禍・原材料価格上昇・円安…外食産業の打開策は?)されています。

T:そうでした。世界的に人口が増えていくので、世界の経済成長率の見通しも日本より高くなる可能性があるとのことでした。

神様:当然、航空機を利用する人も増加していきますし、世界中の旅行者も増加していくことになるでしょう。

T:訪日外国人を受け入れる態勢をしっかり整えることは中長期的にも大切ですね。

神様:人を乗せる航空機にも注目してみましょう。ジェット旅客機の年間受注機数は、2019年以降のボーイング 737MAXの納入停止に伴う受注減に加え、2020年はコロナ禍が影響しました。しかし、コロナ禍の2年目となった2021年には、2019年を上回る水準へ回復しています。2022年の受注機数も増加が続くと見込まれます。

T:なるほど。世界の民間航空機市場は、今後も中長期的に成長が続くということですね。

神様:その通りです。日本には、民間航空機の機体やエンジンなどの主要部品を手掛ける企業が多くありますから、関連するビジネスチャンスの広がりも期待できるでしょう。観光の回復とともに注目すると面白いでしょう。

(この項終わり。次回9/28掲載予定)

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