第313話 世界で愛される日本の”強み” 放送コンテンツ輸出はアニメ1強

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、下町のお茶屋さんで投資談義を行っています。


T:前回(第312話 コロナ禍・原材料価格上昇・円安…外食産業の打開策は?)は外食業界を取り上げて、海外展開によって事業の成長を進めている取り組みをお聞きしました。そこでふと気になったのですが…。

神様:はい。何でしょうか?

T:外食産業のように、人口が増加し経済成長率の高い海外に目を向けることで成長するチャンスを掴める業界は他にもあると思いますが、その中でも注目の業界は何でしょうか?

神様:なるほど。おっしゃる通り、今、海外展開によって大きく成長している分野はたくさんあります。特に、日本独自の強みがあり、質や量で海外の競合より優位に立ち、世界中の人々に受け入れられるようなものを生み出す業界は強いです。Tさんなら何を挙げますか?

T:やはり自動車ですか?

神様:自動車ももちろんそうですね。私が注目するのは「アニメ」です。

T:アニメ!確かに、日本のアニメは世界中で見られていますね。

神様:政府は以前から「クールジャパン」として、アニメや日本食などの日本の文化を海外に積極的に売り出す試みを行ってきました。日本の魅力ある商品やサービスの海外需要を開拓するために、関連する支援や促進を目指して2013年に設立された官民ファンドとして「クールジャパン機構」がありますが、コンテンツ、ファッション、日本食をはじめとする日本の文化やライフスタイルの魅力を付加価値とし、産業として発展させ、海外需要の獲得や日本国内への取り込みにつなげることを目的として活動しています。

T:クールジャパンは日本の文化を紹介するという点において、観光要素が強いのかと思っていましたが、よく考えるとそれだけではありませんね。

神様:アニメはクールジャパンの中で12を争う大きな成功事例と言っても過言ではありません。日本の放送コンテンツの海外への輸出は着実に伸びています。総務省によれば、2020年度の輸出額は前年度比で8.8%増の571億円となりました。特に、内訳では「インターネット配信権」の伸びが目立ちます。

T:新型コロナウイルスの影響による世界的な巣ごもりも関係していますね。

神様:その通りです。さらに、ジャンル別で放送コンテンツ海外輸出額の推移を見ると、ほとんどの割合を「アニメ」が占めており、その割合は年々増加傾向にあります。アニメの1強状態と言えます。日本アニメの海外での人気がよくわかる結果です。

T:確かに、日本の漫画やアニメは世界中で愛されていますね。私も、とある連載休止中の漫画の作家がSNSで近況を報告した際、世界中のファンから反響があったことを見てとても驚きました。大人でも楽しめるような完成度の高い作品を生み出すことができるのは、日本の強みだと思います。

神様:コロナ禍で動画配信を視聴する習慣も定着しました。今後は日本のコンテンツがより世界各国の人々に受け入れられやすくなるでしょう。まさに、アニメを中心とした日本の放送コンテンツは、日本国内だけにとどまらず海外に展開することで、大きな成長を遂げることが可能であると考えられます。

T:以前のお話に出たキャラクタービジネス(第290話 ゴジラもウルトラマンも現役 拡大続けるキャラクタービジネス)との関連も期待できそうです。外食産業とともに、さらに世界に羽ばたく業界になることを期待したいです。

神様:少子高齢化など、日本の課題はとても大きいですが、これから世界に対して日本の何を売っていけば良いのかを真剣に考えることが、新しい活路を開き、より良い未来を創ることにつながっていくのではないでしょうか。

(この項終わり。次回8/17掲載予定)

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