大西葵キャディのブチ切れ仕事放棄事件のいきさつ「あってはならないことだけど、人となりを知っていて雇っているんだから」の声も

<アース・モンダミンカップ 2日目日◇24日◇カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)◇6639ヤード・パー72>

大会初日の23日、あってはならない事件が起きていた。大西葵の帯同キャディが、ラウンド中に仕事を放棄してコースを立ち去ってしまったのだ。

「キャディ」とは規則に従ってプレーヤーを助ける人をいい、「助ける」にはプレー中にプレーヤーのクラブを運んだりクラブを扱ったりすることを含む。と、ゴルフ規則では定義されている。この「助ける」を放棄してしまった大西葵に帯同していた大江順一キャディの行為は、前代未聞といわざるを得ない。まずはことの経緯をおさらいしよう。

大西は前半17番パー4のセカンドショットをシャンクした。ボールは右サイドの赤杭エリアへ飛び、大西はその赤杭エリアの境界線を横切った地点からボールをドロップしてプレーを続行しようとした。それに対して大江キャディは打った地点、ボールがもとあった場所からのドロップを進言。この意見が対立して、問題行為に発展した。

この時点で大江キャディは、大西のキャディバッグを放置。その行為を見るに見かね、プレーの進行を妨げると判断した同伴プレーヤーの帯同キャディが大西のところへバッグを運ぶと、大江キャディはそのことに対してもブチ切れたという。18番ティイングエリアに行っても大きな怒声をあげていた大江キャディに、大西は「もうやめてください」と涙の抗議。大江キャディのあまりのキレように、大西は涙が止まらずティショットを仕切り直したほどだった。

その後、大江キャディが仕事を放棄したままプレーは続行となった。大西がティショットを打ち終わった後は、観戦をしていた大西のコーチである石井忍がキャディを交代。大江キャディは手ぶらで18番を上がっていったという。

石井コーチは持病の腰痛を抱えており、折り返し後の4番ホールで再度キャディが交代。ここで急きょキャディを務めたのは、大西が契約するテーラーメイドのクラブ担当者だった。現在、女子ツアーではコロナ感染拡大防止対策として、キャディに新型コロナウイルスのPCR検査を義務づけ陰性証明を求めている。これは会場入りするコーチやクラブメーカーの担当者にも求められており、今回急な交代劇にもかかわらず対応することができたというわけだ。大会2日目のキャディも、同じテーラーメイドのクラブ担当者が務めている。

ゴルフ規則で「キャディは正規のラウンド中、どの時点をとってもひとりだけしか使用できない(6-4)」と定義されている。ただし交代は認められているので、そこは問題ないのだが、同伴プレーヤーの帯同キャディが大西のバッグを運んだのは、「たったひとりのキャディ」という部分に抵触しないのだろうか。

これに対して日本女子プロゴルフ協会は「規則に親切心から行動(例えば置き忘れたクラブを取りに行く)した場合を除くとあり、それを適用しました」と回答。

18番のフェアウェイを手ぶらでぶぜんと歩き、クラブハウスに戻った大江キャディはそのままコースを去ったという。大江キャディは2015年「中京テレビ・ブリヂストンレディス」のプロアマ大会で選手と激しく口論、同伴していたアマチュアプレーヤーを不快にさせる態度を見せたなどから、2週間の職務停止処分を協会から受けた過去もある。

2021年東京五輪ゴルフ競技で、米国代表のレクシー・トンプソンのキャディが熱中症で倒れ、ラウンド中にピンチヒッターを立てるなどのキャディ交代劇はこれまでにもあった。だが今回のような騒動、キャディがブチ切れてラウンド中に仕事を放棄したというのは、日本のゴルフツアー史上初めてのことだったのではないだろうか。

「もちろん決してあってはならないことですが、大江キャディの人となりを知っていて雇っているのだから、雇った選手の自己責任もあると思います」というようなベテランプロキャディの厳しい意見も聞かれたが、一夜明けた翌24日に日本女子プロゴルフ協会は「キャディ本人からも事実確認をしたのち、選手及びキャディの処分を審議することになる」としている。厳正で公平な処分が下されることを期待する。(文・河合昌浩)


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