第300話 拡大続く「リユース市場」 要因と今後の見通しは?

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、公園を散歩しながら投資談義を行っています。


神様:今日は「リユース市場が拡大を続けている」ことについてお話しましょう。リユースとは何のことかご存知ですか?

T:中古品など、使わなくなったものを再使用することですよね。

神様:そうです。では、「リサイクル」は?

T:リサイクルも中古品ですね。あれ、何が違うのでしょうか?

神様:ちょっと考えると混乱しますよね。「3R政策」という環境政策があります。3Rとは、「Reduce(リデュース)」「Reuse(リユース)」「Recycle(リサイクル)」の3つの「R」を取ったものです。「Reduce(リデュース)」は「廃棄物の発生抑制」、つまりごみを減らすこと。「Reuse(リユース)」は「製品・部品の再使用」、つまり中古品など使えるものを繰り返し使うこと。そして「Recycle(リサイクル)」は「再生資源の利用」、つまり廃棄物のうち使えるものを再び資源として利用することです。

T:つまりリユースは、使われなくなったものを中古品として再利用することですね。リサイクルは、使われなくなって廃棄物として処分されたものの中から資源として使えるものを再利用すること、ということですね。

神様:その通りです。以前、環境省の「物質フロー(物の流れ)」(第238話 環境対策は経済成長の鍵 「循環型社会」の実現に必要なこと)についてお話したことを覚えていますか?

T:はい。循環型社会の実現を目指し、日本における資源の採取・消費・廃棄の現状を表した図でしたね。投入する資源のうち、どのくらいの量が廃棄物になり、廃棄物からどのくらいの量が再び資源として利用されているのかがわかりました。廃棄物、ごみの再利用という観点でリサイクル業者が重要、というお話でした。

神様:一方で「リデュース」や「リユース」は、廃棄物になる前の段階、つまりごみを減らすことに貢献します。いらなくなったものをすぐに捨てるのではなく、長く大切に使い、使わなくなったら他の人に使ってもらうことです。

T:なるほど。今ならフリマアプリなどの活用で、いらなくなったものを手軽に売り出し、他の人に渡すことができます。リユース市場が拡大を続けているのも納得できます。

神様:リフォーム産業新聞社のリサイクル通信が昨年公表した調査によると、2020年のリユース市場は前年比で2.5%増の2兆4,169億円となり調査を開始した2009年以降で11年連続の拡大となりました。2020年はコロナ禍により、インバウンド需要など実店舗の販売は不振でしたが、EC分野がそれを補い拡大成長を維持した形です。また、フリマアプリなどのCtoC分野が1兆円を超えたことも大きなトピックとなりました。

T:環境意識の高まり、フリマアプリの登場により手軽に中古品売買が行えるようになったこと、コロナ禍でEC活用が活発化したことなどがリユース市場の拡大の背景にある、ということですね。

神様:今後は環境意識の高まりがさらに成長を促進することとなるでしょう。リサイクル通信では、リユース市場規模を2022年には3兆円2025年には3兆5,000億円へ拡大すると見込んでいます。背景には、持続可能な開発目標(SDGs)への認知度の高まりがあります。SDGsは、2030年までに達成すべき17の目標と、具体的な169のターゲットから成り立ちます。そのうち目標12「つくる責任 つかう責任」では、持続可能な消費と生産の形をつくることを目指しています。リユースは、ごみを減らすだけでなく、製品の元となる、採掘する天然資源を減らすことにもつながります。2030年に向けてリユース市場がさらに注目を集めることになるでしょう。

T:2023年は日本がG7の議長国になりますし、国を挙げての政策にも注目したいですね。もちろん、リユースをさらに促進する新しいサービスの登場にも期待します。

(この項終わり。次回5/18掲載予定)

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