第269話 「年間50億個」目前 コロナ禍で宅配便が好調

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、下町のカフェでお茶を飲みながら投資談義を行っています。


T:東京オリンピック・パラリンピックが無事に終わりました。訪日外国人観光客は規制され、会場もほぼ無観客での開催となりましたが、海外から数多くの選手が参加しましたし、選手が感謝の意を述べていたことが印象に残りました。

神様:これから様々な振り返りがなされるのでしょうが、まずは無事に終えたことを喜びたいですね。

T:国内ではワクチン接種も進んでいますが、新型コロナウイルスは変異株が猛威を振るっており、一筋縄ではいきませんね。そしてそんな中、菅総理が退陣を表明しました。

神様:株式市場でも菅総理の退陣表明を受け、新総裁の下で大胆な経済対策が打ち出される期待感が高まっています。9月10月は今後の政局・政策の行方にも注目したいところです。さて、今日は「宅配便」について見ていきましょう。国土交通省は8月6日、2020年度の国内の宅配便取扱個数について公表しました。それによると、2020年度は前年度比で11.9%増の48億3,647万個となり、6年連続で過去最多を更新。増加率は過去20年で最大となりました。

T:グラフで見ると2020年度の増加率の高さがよくわかります。もうすぐ50億個の大台に届きそうですね。

神様:内訳を見ると、トラック運送が前年度比で11.5%増の47億8,494万個、航空等利用運送は前年度比で56.8%増の5,153万個となりました。2021年度は50億個を突破するのかも注目されます。

T:コロナ禍で宅配便が伸びるのは、巣ごもり消費の影響でしょう。一方で、経済活動が抑制され、企業間での宅配便のやり取りは少なくなっているのではないかと思います。それでもこれだけ伸びているのは、宅配便が消費者のEC(電子商取引)利用の増加と共に伸びてきたからですね。

神様:おっしゃる通りです。背景にあるのはコロナ禍での巣ごもり消費などによる、EC利用の増加です。経済産業省によると、2020年の国内の物販系分野の消費者向けECの市場規模は、前年比で21.7%増の12兆2,333億円となりました。こちらもグラフを見ればわかりますが、2013年以降、宅配便取扱個数の増加はEC市場規模の増加と共に伸び続けてきたことがわかります。商品の内訳を見ると、電気機器や衣類、食品・飲料、生活雑貨の割合が大きく、宅配便の利用が欠かせないでしょう。

T:2020年のEC市場規模の増加も、2019年までと比べると抜きんでていますね。それだけECが人々の生活に必要不可欠なものになっているということですね。

神様:「EC化率」というものがあります。これは、物販系分野の消費者向け商取引のうち、ECが占める比率のことですが、これも毎年徐々に上がっています。2020年は前年の6.76%から8.08%へと上昇しました。

T:EC利用の増加による宅配便の好調は今後も続くのでしょうか?

神様:コロナ禍はまだしばらく続きますから、今後も続くと思います。一方で、宅配業界ではEC企業が自社配送を構築するなど、多様化も見られるようになりました。国交省の宅配便取扱個数の公表を見ると、現在はトラック運送、航空等利用運送ともに大手数社でほぼ全てを占めています。アフターコロナで大手各社がどのように対応していくのかにも注目しましょう。

(この項終わり。次回9/22掲載予定)

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