米軍トップ「攻撃なら事前通知」=中国側に、トランプ氏暴走懸念―著名記者が内幕本

 【ワシントン時事】米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が昨年10月と今年1月、トランプ大統領(当時)の暴走を懸念し、中国側に米軍が攻撃を行う際は事前に通知すると念押ししていたことが14日、明らかになった。著名ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏らが近く出版するトランプ政権末期の内幕本「Peril(差し迫った危機)」の内容として米メディアが報じた。
 ウッドワード氏ら著者は、トランプ政権幹部らに200回以上にわたってインタビューを行い、政権末期の混乱を描いた。
 それによると、ミリー氏は大統領選直前の昨年10月末、中国共産党中央軍事委員会の李作成・統合参謀部参謀長との極秘電話で「米政府は安定しており、すべて正常になる。米国が中国に軍事作戦を起こすことはない」と強調。「攻撃するようなことになれば、事前に通知する。奇襲攻撃にはならない」と述べた。
 トランプ支持者らによる1月の連邦議会襲撃事件の2日後にも電話をかけ「われわれは100%安定している。すべて大丈夫だ」と繰り返し、トランプ政権の暴発を危惧する李氏を落ち着かせようとしたという。
 ミリー氏はその後、インド太平洋軍に対し、中国を刺激しないために軍事演習の延期を要請した。軍幹部に対しても、自身を介さない核ミサイルの発射命令には従わないよう指示した。
 民主党のペロシ下院議長との電話では、トランプ氏を「正気を失っている」などと評したペロシ氏に「完全に同意する」と応じ、ミリー氏がいかにトランプ氏を危険視していたかが浮き彫りになった。ウッドワード氏は「ミリー氏の越権行為を非難する人もいるだろう」としつつも、同氏が中国との偶発的な軍事衝突や核兵器の使用を防ぐために対策を講じる必要があると誠実に考えていたと指摘した。 
〔写真説明〕トランプ米大統領(左、当時)とミリー米統合参謀本部議長=2019年10月、ワシントン(AFP時事)


externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)