世界経済で信頼回復=成長戦略、実現の正念場―米政権半年

 【ワシントン時事】バイデン米政権が20日、発足から半年を迎えた。手堅い政策運営で景気は新型コロナウイルス危機から回復し始めた。世界経済の懸案に取り組む姿勢をアピールし、トランプ前政権の下で失われた国際社会における米国の信頼感も取り戻した。ただ、政権が最重視する中間所得層の底上げを図る成長戦略の実現には高いハードルが待ち受ける。
 「6カ月たった今、記録的な成長と雇用創出、労働者への恩恵がもたらされた」。バイデン大統領は19日、ホワイトハウスで演説し、これまでの成果を強調した。
 就任から2カ月足らずで1兆9000億ドル(約210兆円)のコロナ経済対策を導入し、雇用は「歴代政権の発足後6カ月で史上最大」となる計300万人増えた。2021年の成長率は約40年ぶりに7%台の高水準が視野に入る。
 トランプ前政権下で停滞した、多国籍企業の課税逃れを防ぐ国際法人税制や国際通貨基金(IMF)の資産を活用した途上国支援、地球温暖化対策といった世界的な懸案をめぐる協議も一気に進展。マクロン仏大統領は「米国はバイデン大統領の下で協調的なリーダーとして復帰した」と称賛した。
 一方、政権の真価が問われるのは、成長戦略として看板公約に掲げた総額4兆ドル規模のインフラ投資、子育て・教育支援策だ。米国が国際競争力を維持し、世界経済で主導的な役割を果たし続けられるかは、国内への大規模な成長投資がカギを握る。
 だが、成長戦略の財源に当て込む企業や富裕層の増税に、野党共和党は「超えられない一線」(マコネル上院院内総務)と猛反発している。議会上院は与野党の議席数が同じで、バイデン氏は法案可決へ「団結」を説くが、実現のために共和党の切り捨ても辞さない構えだ。
 バイデン氏は中間層が豊かさを実感できる経済への「パラダイムシフト(構造転換)」を約束した。22年の議会中間選挙では、与党民主党が議会で多数を保てるかが懸かる。政権が実績を作るために残された時間はそれほど多くない。 
〔写真説明〕20日の閣議に出席したバイデン米大統領=ワシントン(EPA時事)


externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)