GoToトラベル、見えぬ再開=開始から1年、強まる待望論

 政府の旅行支援事業「Go To トラベル」が始まって22日で1年。新型コロナウイルス感染拡大で大打撃を受けた運輸、観光業界などを支える目玉事業は、感染再拡大で昨年末に一斉停止したままだ。関連業界では早期再開を求める声が強まるが、感染者増加に歯止めがかからず、先行きは見通せない。
 トラベル事業は1人1泊2万円を上限に、旅行代金の半額を補助する制度。旅行代金の35%を割り引き、15%は旅行先で買い物などに使えるクーポンとして付与する。昨年7月22日に始まり、10月に東京都が対象に加わったのを機に利用が急増した。事業を中断した12月28日までの延べ宿泊者数は8781万人、支援額は5399億円(ともに速報値)に上った。
 しかし、関連業界に恩恵が及び始めた矢先に事業が停止し、資金繰りなどに窮迫する企業が出てきた。近畿日本ツーリストなどを傘下に持つKNT―CTホールディングス(HD)は今年6月、親会社の近鉄グループHDや取引銀行から400億円を調達。JTBは、政府系金融機関の日本政策投資銀行に資本支援の要請を検討している。
 政府は、感染状況を見極めながら再開時期を探る方針だ。日本旅行業協会の志村格理事長は21日の記者会見で「感染状況が安定している地域からの再開をお願いしたい」と要請。一方、和田浩一観光庁長官は同日の会見で「全国規模の移動を前提とするトラベル事業の再開は現時点で難しい」と慎重な考えを示す。
 政府や一部の自治体はトラベル事業の停止中でも、県内の旅行に限り代金を割り引く「県民割」事業を展開。31道県で実施が決まり、さらに拡大する見通しだ。政府は、近隣県への旅行を対象にすることも検討している。ただ、東京など大都市圏との往来を含むかどうかは不透明で、当面大きな波及効果は期待しにくい状況だ。 
〔写真説明〕記者会見する和田浩一観光庁長官=21日午後、国土交通省


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