第262話 アフターコロナのIC市場、史上初の規模へ 今後の動向は?

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、海の見えるカフェでコーヒーを飲みながら投資談義を行っています。


T:新型コロナウイルス感染拡大により、東京都に4度目の緊急事態宣言が発令されました。前回で最後の発令にすることができず、避けたかった対応ですね。

神様:東京五輪も首都圏で無観客開催になるなど、厳しい局面が続いていますね。

T:政府としてはワクチン接種を確実に推進し、重症者や感染者数を減らしていくしかありませんし、経済活動の正常化を進めることも感染拡大を防ぐことも、どちらも“命を守ること”につながります。踏ん張りどころが続き、もどかしいですね。

神様:しかし、世界は確実にアフターコロナへと向かっています。これまでお伝えしている通り、世界ではICT化が加速し、2020年はデジタル化大躍進の年となりました。背景にはコロナ禍によるスマートフォン、パソコン、テレビなどの巣ごもり需要の活発化もありました。アフターコロナでは、5G通信や自動運転に限らず、生活に密着した幅広い分野でICT化が進んでいくことは、これまでお話してきた通りです。

T:世界のデータトラヒック量は2018年から2021年にかけて2倍に増加し(第205話 世界で加速するICT化 企業のデジタル投資に注目)、半導体市場は2022年以降も拡大が続くことが期待されている(第234話 2020年はデジタル化大躍進 半導体市場の成長は続くか?)ということですね。

神様:現在は報道でもご存知のように、日本で半導体不足が続いています。今後の動向について、IC市場を見てみましょう。Tさんは「IC」とは何のことか、ご存知ですよね?

T:ICとは、「Integrated Circuit」の略称で「集積回路」を意味します。ICは半導体から作られますが、半導体の基板上にトランジスタ、コンデンサや抵抗などをまとめ、デジタル機器の頭脳として働く、欠かせない電子部品です。

神様:その通り、大正解です。IC市場も大きく伸びています。米国調査会社IC Insightsによると、IC市場規模の見通しについて、2021年は前年比で24%増の5,020億ドルと史上初の5,000億ドル突破を見込んでいます。さらに、2023年には6,000億ドル超になると予想しています。

T:市場予測のグラフを見ると、2020年以降は右肩上がりで大きな伸びとなっていますね。

神様:また、2021年1~3月期のシリコンウェハの出荷面積では過去最高を記録しました。まさに、世界各地で進むデジタル化の様子を表していると言えます。

T:今後は供給が追いつき市場の伸びが鈍くなるのか、それとも需要が伸び続けるのか。市場予測やこれまでの神様との話の中で考えれば、需要は伸び続けるということでしょうか。

神様:自動車やテレビなどの民生用電子機器、そして産業用機器の回復により半導体需要が伸びている中で、5G通信、高性能パソコン、データセンタ用サーバなどのニーズが好調です。IC市場は堅調な伸びが期待されます。日本にある世界最大手半導体シリコンウェハメーカーは需要拡大の見通しを背景に生産能力拡大の検討を明らかにしています。これは大型投資となりますから、設備投資関連にも大きな影響が出てくるでしょう。

T:関連する業界の業績拡大も期待できそうですね。2022年、2023年に向けて、市場の動向をしっかり注目していきたいと思います。

(この項終わり。次回7/28掲載予定)

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