早すぎる引退「777」 最後は地上の旅客機レストランに 主催者ANAの秘めた思い

新型コロナ拡大による需要減退で、平時のように旅客機が飛ばせないなか、ANAでは機体の早期退役や、関連するイベントの展開を進めています。そのひとつ「777型機の機内食レストラン」には、収益増、利用者要望以外にも狙いがありそうです。

乗るより安価に上位クラスを楽しめる「機内食レストラン」

 航空業界に深刻な影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染拡大。国際線を中心に、大幅な需要減退が続いていることから、航空会社は平時のように旅客機を飛ばすことができません。 ANA(全日空)ではこの影響から、大型の国際線機材を中心に退役を早めることで、固定費の削減を図っています。また、地上駐機中の機体を生かしたこれまでにないイベントを展開し、利用者の「旅行したい」、航空ファンの「飛行機に乗りたい」というニーズを満たしつつ、収益増加を図っています。

 上記の早期退役とユニークなイベント、このふたつを組み合わせたのが、6月19日(土)と20日(日)に実施予定の「翼のレストランHANEDA ありがとうトリプルセブン JA779A」です。「翼のレストランHANEDA」は、2021年3月から羽田空港で複数回実施されているイベントで、ANAの国際線主力大型機ボーイング777-300ERを地上に駐機させたまま、「機内食を提供するレストラン」として、利用者に開放するというもの。 利用者にとっては、平時であれば何十万の料金を支払わなければ搭乗できないANA長距離国際線のファーストクラスやビジネスクラスの座席や食事、サービスを疑似体験でき、ANA側にとっては、飛ばすことのできない旅客機を有効活用できるという、一挙両得のイベントとなっています。なお、このイベントでのファーストクラス利用料金は、4万9800円です。 そして、6月の「翼のレストランHANEDA」は、6月中に退役が予定されているANA機「JA779A」への“お別れ”をしながら、サービスを味わうことができるという、ふたつの意味合いを持ちます。 ただ、「翼のレストランHANEDA」が、会場のANA機に搭乗する最後の機会だったことは、今回だけではなかったようです。

「レストラン化でお別れ」これまでにもあった? ANA機

 ANA「翼のレストランHANEDA」は3月31日に初めて開催され、4月にも計11日間実施されました。ANA広報部によると、これらはいずれも、264席仕様のボーイング777-300ER「JA782A」が使用されたそうです。

 このJA782Aは、3月27日のロサンゼルス発羽田行きNH105便を担当し、これが最後の定期便運航となりました。その後3月の初回から4月まで初代「レストラン会場」を担ったのち、再びANAの定期便に戻ることのないまま、6月8日(火)に退役フライトで日本を離れました。つまり初代レストラン担当機も、結果としてこのイベントが、利用者との「お別れの場」だったというわけです。 初代レストラン会場となったJA782A、6月に会場となるJA779A、ともにいわゆる経年機というわけではありません。通常、旅客機は20年から25年使用されることが多いなか、JA782A(2008年導入)は約13年、JA779A(2007年導入)は約14年。ともに、まだまだ主力して働くことのできる機体です。とはいえ、ANAの777-300ERが主戦場とする長距離国際線が、いつ以前のような活況を取り戻すかは不透明です。 JA779Aで6月に実施される「機内食レストラン+退役前のお別れ会」のイベントでは、整備士による777の思い出エピソード披露や、機材のドア付近へのメッセージ記入体験などが実施される予定です。 もしかすると、利用者のニーズと旅客機の有効活用といった当初の狙い以外にも、こういったイベントには、ANA側の「せめて盛大に送り出してあげたい」と思いがあるのかもしれません。

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