東芝総会、公正に運営されず=経産省と組み「不当な影響」―外部調査報告書

 東芝の昨年7月の定時株主総会で一部の株主が不当な圧力を受けて議決権行使をしなかったとされる問題で、外部の弁護士は10日、総会が「公正に運営されたものとはいえない」とする調査報告書を発表した。東芝が経済産業省と連携し「不当な影響」を与えたとも明記。株式会社の最高意思決定機関の運営がゆがめられていたことで、日本企業の株主総会運営への不信が高まるのは必至だ。
 報告書はまた、当時の車谷暢昭社長が昨年5月11日に菅義偉官房長官(現首相)に対し、株主総会での対応について「内容を説明したと推認される」と言及。別の機会には菅氏が「強引にやれば(改正)外為(法)で捕まえられるんだろ?」と発言したと記載した。菅首相は10日、記者団に「全く承知していない。そのようなことはない」と否定した。
 報告書は、「物言う株主」からの独自の取締役選任要求に苦慮した東芝が経産省に支援を要請したと指摘。安全保障に関わる上場企業に対する外国人投資家の出資規制を強化する改正外為法の権限を背景に、経産省が東芝と緊密に連携し、一部株主に対し、東芝経営陣に不利となる議決権行使の見送りを暗に求める「不当な影響」を与えたと認定した。
 調査を担当した中村隆夫弁護士は、オンライン形式で記者会見を開き、東芝と経産省について「株主の権利の行使を事実上妨げる行為につながる形で、やや不当な関係性が見受けられる部分があった」と語った。
 調査結果について、経産省は「内容を調査中」、東芝は「内容を慎重に検討の上、後日(対応を)開示する」とそれぞれコメントした。東芝が今月25日に開く定時株主総会では、4月に社長復帰した綱川智会長兼社長ら現経営陣に厳しい追及が予想される。 
〔写真説明〕東芝の昨年の定時株主総会に関する調査結果について、オンラインで記者会見した3人の弁護士=10日午後
〔写真説明〕東芝の昨年の定時株主総会の調査結果について、オンラインで記者会見した中村隆夫弁護士=10日午後(同社提供)
〔写真説明〕東芝の昨年7月31日の定時株主総会で発言する車谷暢昭社長(当時)(オンライン中継画面より)

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