第256話 コロナ禍から景気回復へ 世界で活躍するニッチ企業に注目

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、海の見えるカフェで投資談義を行っています。


T:このところ海外主要国の株価は過去最高値の近辺にありますが、日経平均株価は出遅れ感があるように見えます。要因は、やはり国内での新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることと考えられますか?

神様:そうですね。確かに海外主要国の株価と比べると出遅れの印象がありますが、一方で、東京や大阪などでワクチンの大規模接種が始まりました。今後はワクチン接種率の向上と共に景気回復への期待が高まり、株価も出遅れ解消が進むと思われます。

T:ワクチンが頼りですね。本当に一歩一歩経済活動の回復へと進んでいる感じです。

神様:経済活動は確実に回復へと向かっています。世界貿易機関(WTO)が3月に公表した貿易統計・見通しに関するプレスリリースによると、「世界貿易は新型コロナの打撃から力強くもバラツキのある回復に向かう」としています。世界の物品貿易量と国内総生産(GDP)成長率の見通しを見ると、2020年はともにマイナスでしたが、2021年は物品貿易量は8%増加GDP成長率は5.1%増を見込んでいます

T:プレスリリースによると、2020年の物品貿易の減少幅は2020年10月に推計していたもの、また2020年4月にWTOが示していた楽観シナリオよりも小さくなったそうですね。その理由として、各国政府による力強い金融・財政政策の実施、消費者や企業側が新型コロナの感染拡大に対応したこと、WTOメンバー国が保護主義に陥らなかったことなどが挙げられています。

神様:まさに、各国政府、国民や企業による努力による結果ではないでしょうか。5月11日に発表された経済協力開発機構(OECD)の景気先行指数も、コロナ禍から着実なペースで拡大しています。この景気先行指数は、世界景気の変化をいち早く確認する指標として注目されますが、足元では主要国がコロナ以前の水準またはそれを上回る水準で推移しています。”夜明け”はもうすぐと思われます。

T:経済活動にとってコロナ対策が「今が踏ん張りどころ」である理由ですね。この先皆の努力が大きく実を結ぶことを期待したいです。

神様:その”実”の部分と言えば、これまでお話した通りデジタル分野が中心となるでしょう。スマートフォンや電動自動車などのグローバルプレーヤーにとって今後は追い風です。そしてこれら大企業の製品の陰には必ず、技術力の高さに裏打ちされた「グローバルニッチトップ企業」が存在しています。

T:グローバルニッチトップ企業…世界的に活躍するニッチ分野の企業ですが、「ニッチ」は規模の小さい市場や大規模投資を伴う事業を行う大企業が参入しづらい隙間分野ターゲットを絞った一定数の需要がある分野を意味し、中小企業やベンチャー企業が競合を気にせず強みを生かした事業を行うのが特徴ですね。

神様:その通りです。特に半導体関連において、大企業からの受注で必要不可欠な各パーツなどを製造している企業がありますが、日本には世界的なシェアを誇る企業が数多くあります。

T:コロナ禍を抜けた後、各企業にとって大きなチャンスとなりますね。

神様:経済産業省では、2020年に「グローバルニッチトップ企業100選」として、世界市場のニッチ分野で勝ち抜いている企業や、国際情勢の変化の中でサプライチェーン上の重要性を増している部素材等の事業を持つ優良な企業などを選出しました。2013年以来7年ぶりの選出は、今世界で起こっている変化が、これらの企業にとってとても重要な局面であることを意味しています。アフターコロナのグローバルニッチトップ企業の活躍に期待しましょう。

(この項終わり。次回6/16掲載予定)

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