第255話 コロナ禍で「帰宅後すぐ洗濯」洗濯への意識に変化

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、下町の甘味処にて投資談義を行っています。


T:ここ最近のテレワークや巣ごもりで白物家電の国内出荷額が高い水準のようですね。掃除機や空気清浄器など、部屋の清潔感や健康意識の高まりが追い風になっているようです。

神様:もともと、日本では単身世帯や共働き夫婦の増加により、エアコンや冷蔵庫、洗濯機といった白物家電は底堅く推移していました。そこにこのコロナ禍に遭い、消費者の意識が大きく変化しました。どのように変化したのかを見ていきましょう。Tさんの家庭では、どうですか?

T:部屋の掃除をする回数は確実に増えましたね。それから、洗濯する回数も増えました。昨年はエアコンを買い替えましたが、今年は洗濯機を買い替える予定です。

神様:マーケティングリサーチ会社のGfKジャパンの調査によると、2020年の洗濯機の出荷台数は前年比で2%減の520万台となりましたが、3年連続で500万台を超えて高水準を維持しています。最近は高機能で価格も高い大容量タイプの割合が増えています。2020年の洗濯機の税抜き平均価格は8万円と、2016年に比べて21%も価格が上昇しています。

T:最近は乾燥機能も付いた「ドラム式洗濯機」が人気ですよね。うちも大容量の洗濯機に買い替えする予定です。

神様:コロナ禍での変化を見てみましょう。日本女子大学が全国の10代以上の男女に対して行動や意識に対する調査を行ったところ、65%がコロナ禍で「衣生活に変化があった」と回答しています。また、3人に1人は帰宅後すぐに着ていた衣類を洗濯するなどの変化があったようです。

T:手指はアルコール消毒し、購入したものは拭いて消毒できます。衣服はウイルスが付着していないか気になりますし、帰宅後すぐに洗濯するのがウイルス対策として効果がありそうですよね。

神様:その他にも回答では、使い捨てマスクを洗濯して再利用する、共同使用のタオルを個人使用に変えるなどの変化も見られました。「特に変化なし」とする回答も34%ありましたが、感染回避のための衣生活の変化健康や清潔意識の高まりが浮き彫りとなりました。

T:最近の変異ウイルスでは、従来よりも感染力が強くなり、若い人への感染や重症化も増えているとの報告もあります。消毒やマスクをするなどこれまでの感染対策では防ぎきれないケースも出ていますし、高齢者と同居の家庭など、命を守るために必死の家庭はとても多いです。それが家電消費にも表れているように思います。

神様:2020年に、国民1人あたりに現金10万円を給付する「特別定額給付金」が実施されましたが、これも洗濯機などの買い替え需要を促したと言えるでしょう。

T:今後ワクチン接種が進むと、ウイルスの脅威はなくなるでしょうか?そうすると、家電への意識も元に戻るのでしょうか?

神様:現在は医療従事者、高齢者から順にワクチンの接種が進んでいます。ワクチン接種が国民に行き渡った後のウイルスの影響がどうなるのか、私には、現時点ではわかりません。ワクチンによる効果のない変異ウイルスが発生するかもしれませんし、今後も感染対策はしばらく必要な状況が続くのではないでしょうか。

T:アフターコロナで消費者の意識がどのように変わるのか?はポイントですね。しかし、ウイルスの脅威が少なくなったとしても、新しい生活様式において、清潔意識の高まりがすぐになくなるとは思えません。リモートワークやデジタル化もそうですが、私たちはこれまでの失敗を繰り返さず、学んでいくことが大切ですから。

神様:そうですね。冒頭でもお話しましたが、単身世帯や共働き夫婦が増えている中、白物家電では時間短縮ができて高性能なものが求められています。今後の景気回復、経済活動の活発化により新たな需要が生まれるかもしれません。しばらくは業界の動向を注視することが大切ですね。

(この項終わり。次回6/9掲載予定)

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