第254話 巧妙化するフィッシング詐欺 高齢者・在宅勤務標的に

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、公園を散歩しながら投資談義を行っています。


T:いよいよ、東京都でも大規模なワクチン接種が始まりますね。私の両親も予約を取ることができました。6月の接種が待ち遠しいです。

神様:世の中は確実にアフターコロナへ向かっています。2021年3月期の決算発表も出揃いましたが、2022年3月期の営業利益計画では、前期からのV字回復を見込む姿勢が鮮明になっています。これまでのうっ憤を晴らすような、ワクチン接種後の活発な経済活動を期待したいですね。

T:5月12日には、参議院でデジタル改革関連法案が可決・成立し、9月のデジタル庁設置へ準備が進んでいますし、今後は行政サービスのデジタル化も一段と進みます。世の中のデジタル化もますます発展しますね。

神様:しかし、オンラインのワクチン接種予約は、高齢者には難しいとの声も聞かれたようですね。今や高齢者もほとんどがスマートフォンを所持している時代ですが、十分に使いこなせているかと言えば、当然ながら人によりばらつきがあります。総務省では、今年の6月から携帯ショップ等を中心に全国で高齢者のデジタル活用を支援する「講習会」を実施する予定です。

T:高齢者が少しでもデジタル化に適応しサービスを十分に活用できるかが国としても課題ということですね。

神様:その通りです。また、これは高齢者だけの問題ではありませんが、デジタル化はサイバーセキュリティ対策も重要です(第207話 「アフターコロナ」はサイバーセキュリティに注目)。年々巧妙化している手口への対策は今後さらに必要となってくるでしょう。

T:情報処理推進機構(IPA)が公表した「情報セキュリティ10大脅威 2021」によると、脅威の1位は「スマホ決済の不正利用」、2位は「フィッシングによる個人情報等の詐取」でした。スマホ決済の不正利用は、2019年の消費税増税時にキャッシュレス決済サービスが相次いで登場して以来、3年連続で1位となっています。

神様:フィッシング攻撃も増え続けています。フィッシング対策協議会によると、2021年4月に寄せられた報告件数は4万4,307件と、過去最多だった1月を上回り最多となりました。

T:私のもとにも、本物なのか偽物なのか、よく調べなければわからないメールが届きます。メールの中のリンクをクリックさせて、クレジットカード番号などの個人情報を入力させて盗もうとしますが、私も途中まで入力して送信する直前におかしいと気づいたことがありました。

神様:メールを見て慌ててクレジットカード番号などを入力しないこと、メールの中のリンクからアクセスせず、お気に入りに登録したアドレスからホームページを見るようにすること、本来あり得ないことですが、カード番号や暗証番号を入力するような依頼がメールで来た場合、ホームページなどを調べて電話で問い合わせてみるなど、普段から意識をして注意することが大切です。しかし全員がいつもそれを意識できるとは限りません。

T:高齢者のデジタル活用のことを考えても、フィッシング対策ソフトなどのセキュリティ対応が求められますね。

神様:さらに、「情報セキュリティ10大脅威 2021」によれば、今年のセキュリティ脅威(組織編)では、「ランサムウェアによる被害」「標的型攻撃による機密情報の窃取」のほか、新しく「テレワーク等のニューノーマルな働き方を狙った攻撃」が3位にランク入りしました。在宅でのリモートワークが定着しつつある中で、勤務先からの業務連絡を装ったフィッシングメールも急増しています。安全なリモートワーク環境のためにも、セキュリティ対応がこれからますます重要になってくるでしょう。

(この項終わり。次回6/2掲載予定)

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