第248話 SNS全盛時代 Eコマースはソーシャルコマースに注目

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、千鳥ヶ淵の桜並木を眺めながら投資談義を行っています。


T:桜が満開できれいですね。最近は都心も暖かく穏やかな日が続いています。

神様:新型コロナの感染状況はまだ予断を許さない状況が続いていますが、気軽に外出できる日々が続いてほしいですね。さて、Tさんは「ソーシャルコマース」というのをご存知ですか?

T:ソーシャルコマース…SNSを使ったコマース事業ですか。

神様:その通りです。SNSをEコマース(EC)に活用する手法をソーシャルコマースと呼びますが、流通先進国の米国を中心に、今後の拡大が予想されています。経済産業省によると、2019年の国内EC市場は、企業と個人間のECである「BtoC-EC」が19兆3,609億円とのことです。BtoC-ECは2010年以降、右肩上がりで伸び続けています。ECが伸びる大きなきっかけとなった背景があるのですが、何だと思いますか?

T:ずばり、スマートフォンの普及ですよね。

神様:さすが、よくわかっていらっしゃいますね。2019年のBtoC-ECにおける物販のスマホ経由の比率は、金額ベースで42.4%。購入金額のおよそ半分近くが、スマホ経由で購入されていることになります。

T:総務省によると、スマホの所有率は2010年には約10%程度でしたが、2019年には83.4%となり、初めて8割を超えました。ちなみにパソコンの保有率は69.1%、固定電話は69.0%です。2016年あたりでスマホの保有率がパソコンを逆転しています。

神様:さらに、Eコマースの利用のされ方も変化していることに注目しましょう。昨今のEC拡大に一役買っているのがSNSです。SNSはインターネットにおける個人間のコミュニケーションにとどまらず、公私にわたって情報発信のツールとしても存在感を高めています。首相官邸など公的機関の情報発信ツールとしてもSNSは活用されていますし、企業はインフルエンサー(第194話 YouTube・Instagram…インフルエンサーマーケティングの行方)を活用したマーケティングに力を入れています。今後このSNSを活用したEコマースが国内でもさらに拡大していくものと考えられます。

T:最近では、SNSプラットフォームから直接商品を購入できますし、企業と個人間だけでなく、個人と個人間での取引も盛んに行われています。今後もさらなる変化を続ける業界であると思いますが、ソーシャルコマースに強みを持つ企業にとっては大きなチャンスですね。

神様:こういった消費者の購買行動の変化は、マーケティング用語を見るとわかりやすいかもしれません。有名な購買行動モデルで「AIDMA」というものがあります。A:Attention(認知・注意)、I:Interest(興味・関心)、D:Desire(欲求)、M:Memory(記憶)、A:Action(行動)と、消費者の購買行動を頭文字で表したものですが、これはインターネットがまだなかった時代のモデルです。次に登場したのが、「AISAS」。A:Attention(認知・注意)、I:Interest(興味・関心)までは同じですが、次にS:Search(検索)が入ります。そしてA:Action(行動)、最後にS:Share(共有)。これはインターネットが登場した後のモデルですね。

T:SNSが登場した後は、「SIPS」ですね。S:Sympathize(共感する)、I:Identify(確認する)、P:Participate(参加する)、S:Share&Spread(共有し拡散する)。これがSNS時代の消費者の購買行動モデルと言われています。

神様:しかし、現在登場している行動モデルは実はより多様化・複雑化しています。一度調べてみて、消費者の行動を再確認してみると面白いですね。そして、次の行動モデルがどんなものになりそうかも考えてみると良いでしょう。

T:SNSの次ですか?すぐには想像できませんが、これまで神様とお話したことの中にヒントがあるのかもしれませんね。

(この項終わり。次回4/14掲載予定)

提供:いちよし証券
「兜のささやき」全話はこちら
○当記事は各種の信頼できると考えられる情報をもとに作成しておりますが、その正確性・完全性を保障するものではありません。
また、今後予告なく変更される場合があります。

商号等/いちよし証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第24号
加入協会/日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会

0