第247話 愛社精神が大事?企業が注目「従業員のエンゲージメント」

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、桜の咲く公園を散歩しながら投資談義を行っています。


T:早いもので東京はもう桜が満開とのことです。

神様:東京も緊急事態宣言が解除され、外で桜を見られるのはうれしいですね。Tさんはテレワークから会社での勤務に戻るのですか?

T:私は会社勤務に戻ります。先日久々に出勤して仕事をしましたが、オフィスで仕事をするのも集中できていいですよ。在宅より生産性も上がる気がします。

神様:企業によっては自社ビルを売却して完全テレワークに移行するところもありますし、テレワークが生産性にどう影響するのかは人や職種によるのかもしれません。難しいところですね。

T:生活リズムの変化もありますし、この前のお話でも外出自粛で間食が増えた(第244話 コロナ禍の時間を有効活用 余暇サービスの多様化進む)という話もありましたよね。テレワークのスタイルが合う人と合わない人はいるでしょうね。

神様:いずれにしても働き方の多様性や自由度が広がるのは良いことです。ところで、Tさんは「従業員のエンゲージメント」とは何か、わかりますか?

T:最近よく耳にします。エンゲージメントは、従業員が会社に対してどれだけ愛着心や愛社精神、思い入れを持っているかを表すものとして使われています。従業員のエンゲージメントが高い企業は生産性も高く、社員も意欲的に働いているイメージがあります。

神様:その通りです。エンゲージメントは、従業員の「組織に貢献したい」という愛着心の強さを表します。会社の労働生産性にも連動しやすいのが特徴です。厚生労働省の調査によると、エンゲージメントの高い従業員は労働生産性の水準が向上し、従業員自身も労働生産性の向上を認識していることがわかりました。

T:しかし一方で、昨今のテレワーク普及により、従業員の個々の働く姿が会社からは見えにくくなっていますよね。エンゲージメントには影響しないのでしょうか?

神様:まさにその通りです。対面の機会が減り、従来のように企業がエンゲージメントを把握することが難しくなってきました。そのため、それをサポートするサービスの需要増加が期待されています。コロナ禍以前から、エンゲージメントの度合いを測定したり、その向上を支援するための製品やサービスの市場が広がっていますが、ある調査によれば、エンゲージメント関連の市場規模は2023年まで年平均成長率37.5%の右肩上がりで成長していくと予測されています。

T:働き方の多様化の時代の中、これから高いニーズが生まれそうな分野ですね。それにしても「愛社精神」と聞くと、ひと昔前の終身雇用の時代を思い浮かべてしまいます。高度経済成長下の”就職ではなく就社”と言われた時代にも、愛社精神ってありましたよね。

神様:現代は終身雇用が崩れ、年功序列もなくなっています。従業員は短期での成果を求められ、また、今より好条件があればすぐに転職します。昔と状況は違いますが、企業としては、優秀な人材の流出を防ぎたい思いがあります。会社を好きになってもらうことで長くとどまって成果を出してもらいたいというわけですね。

T:なるほど。面白いですね。今後ますます会社としては、優秀な人材をつなぎとめるためにも高いエンゲージメント、働きがいを作る努力が求められますね。

(この項終わり。次回4/7掲載予定)

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