第246話 ついに実現 日本から世界初「レベル3」自動運転車が発売

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、都心の神社の境内を散歩しながら投資談義を行っています。


T:東京も桜の開花宣言が出ました。昨年に続き、統計開始以来最も早い開花だそうです。しかし東京都は都立公園などでの花見宴会を自粛するよう呼び掛けています。昨年に続き寂しい花見シーズンになりそうですね。

神様:新型コロナは変異ウイルスが気になりますね。引き続き万全の感染防止対策が必要な状況です。仕方がありません。ところで、今年の3月5日に我々にとって非常にうれしいニュースがありましたが、Tさんはご存知ですか?

T:もちろんです。3月5日、ついに世界初の自動運転「レベル3」を実現した車が日本のメーカーから発売されました。一昨年に自動運転の未来についてお話しました(第159話 自動運転と産業社会の未来)が、また自動運転社会に向けて一歩進んだことがとてもうれしいです。

神様:もう一度、自動運転について整理しましょう。自動運転化のレベルには、レベル0からレベル5まで6段階あります。「レベル3」とは「条件付自動運転」です。高速道路等の一定条件下で自動運転を行うが、システムの介入要求等に対してドライバーが適切に対応することが必要となります。

T:今回の「自動運行装置」では、高速道路での渋滞時において、ドライバーの運転操作の負荷を軽減することを目的としています。前を走る車や周囲の交通状況を監視し、ドライバーに代わって運転操作を行い、車線内の走行を維持しながら前走車に追従することができるようです。

神様:自動運転の際、ドライバーはハンドルから手を放したり、視線を外すことができます。一方で、システムから運転するよう要求された時にはすぐに運転しなければなりませんから、運転席から離れることはできませんし、すぐに運転できる態勢も取っておかなければなりません。

T:レベル4やレベル5だとどうなりますか?

神様:レベル4になると、高速道路や特定地域などの特定条件下で完全自動運転が実現可能となります。そしてレベル5は常に完全自動運転が可能な段階です。

T:以前にもお聞きしたように、この取り組みは自動車産業だけでなく、IT通信やセンサーなどの電子デバイスなど、新たな技術要素が数多く関わります。その点において、自動運転は新たな産業革命とも言えるのですね。

神様:自動運転技術は日本のイノベーションですから、レベル4の実現に向けて異業種間での開発や提携が活発化しています。中でも注目しているのは、自動運転を支えるレーダーやセンサーなどの各電子部品や制御デバイスです。自動運転のレベルアップに伴い、これらが重要な役割を果たすこととなります。2019年においてADAS(先進運転支援システム)や自動運転用センサーの世界市場規模はメーカー出荷金額ベースで1兆3,602億円でした。2025年には2兆4,808億円に拡大すると予測されています。

T:どれも日本の企業が強みを持っている分野ですよね。今後ビジネスチャンスが広がっていく楽しみな分野です。

神様:自動運転車は、交通事故の削減、高齢者の移動手段の確保、物流サービスの生産性の向上など、日本が抱えている様々な社会問題を解決する手段としても注目されています。政府の掲げるロードマップでは、レベル4の高速道路での完全自動運転は2025年目途での実現を目指しています。レベルアップするにつれて日本社会に大きな変化をもたらすようになるでしょう。それが着々と実現に向かっていることをまずは喜びましょう。

T:さらなるレベルアップを楽しみに、注目していきたいと思います。

(この項終わり。次回3/31掲載予定)

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