鈴木唯人、完全復活へ! 練習試合で先制弾演出…“左シャドー問題”解決の切り札に「僕自身すごくチャンスではある」

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 6月3日〜7日にかけての5日間、日本代表は事前合宿地メキシコ・モンテレイでの調整を終え、8日にベースキャンプ地・ナッシュビルに向かった。FIFAワールドカップ2026の初戦オランダ代表戦まで一週間を切り、森保一監督と選手たちはここから一気に仕上げに入っていくはずだ。

 チームにとって一つ朗報となったのが、約1カ月間実戦から遠ざかっていた鈴木唯人の復帰だろう。ご存じの通り、5月3日のブンデスリーガ第32節フライブルク対ヴォルフスブルク戦の終盤に右鎖骨を骨折。一時はワールドカップ行きが危ぶまれたが、何とか出場のメドが立ちメンバーに名を連ねていた。

 しかしながら、5月25日〜31日の国内合宿の間は所属クラブからストップがかかり、壮行試合・アイスランド代表戦は回避。「本番前最後のテストマッチはやります」と本人も話していたが、7日のU-19日本代表との35分×4本の練習試合は70分間プレーした。3本目に自身のCKから鈴木淳之介の先制弾をお膳立てしたことが森保監督から明かされ、幸先のいい実戦復帰になったのではないか。

「コンタクトのところでは、もっと上げていけるかなとは思いますが、本人はしっかりチャレンジして、試合の中でコンディションを上げようとしていた。ケガからの復帰で確認しながら、強度を上げていった内容かなと思います」と指揮官も前向きにコメント。順調な回復ぶりを見せている模様で、初戦から飛ばしていけそうだ。

 自身初の世界舞台で鈴木唯人に託されるタスクは、本職シャドーとして攻守両面で違いを見せること。南野拓実と三笘薫が負傷離脱した今、左シャドーに誰を抜擢するのか。そこからどういう攻撃を繰り出すのかは、躍進を目指す日本代表にとっての重要命題。そのけん引役にならなければいけないのだ。左シャドーに関しては、森保監督もここまでさまざまなトライを続けている。アイスランド戦を振り返ると、伊東純也がスタートから出場。後半からは中村敬斗、後藤啓介が陣取る形だった。そして、モンテレイ合宿4日目のフォーメーション練習では、久保建英と塩貝健人もプレー。どういった組み合わせがベストなのかを真剣に見極めている真っ最中のようだ。

 そういった人材と比較すると、鈴木唯人はライン間にうまく侵入し、臨機応変にポジションを変えながらパスを受け、ゴール・アシストに関与できるのが強み。ボールを持って長い距離を持ち上がれるのも魅力で、そのプレースタイルに対しては「中田英寿を彷彿させる」という声も挙がっている。

「今まで自チームでやっていたプレーに比べると、代表の中では自分の思い通りに行ってる感覚があまりなかったんですけど、最近は自信もついてきました。みんなある程度自分の特徴を分かってきてくれているので、非常に感触よくやらせてもらっています。相手どうこうは関係なく、僕自身はライン間でボールを受けて、チャンスをクリエイトするのが特徴。特別、初戦の相手がオランダだからということはないですが、そういったところを出していければと思います」

 鈴木唯人も6日の練習後に語っていたが、具体的なイメージは出来上がっている様子。左ウイングバックに陣取るのが中村敬斗か前田大然か、右シャドーが久保か伊東かといった組み合わせ次第で、多少なりとも動きは変化するかもしれないが、彼自身が独特のリズムとアイディアを持ったアタッカーであることは紛れもない事実。その能力が世界基準であることは、今季のUEFAヨーロッパリーグ決勝進出で実証されている。初のW杯でオランダ、チュニジア、スウェーデンという難敵と対峙しても、臆することなく自然体で臨めばいい。

「初めてのW杯? 特に深くは考えていないです」と話した通り、とにかく何が起きても動じない。彼が感情を表に出したのは、市立船橋高校3年で挑んだ高校サッカー選手権大会の初戦の日章学園戦でPK負けした時くらいか。あの時はどうしようもないほど号泣していたが、24歳になった現在は世界も認めるトップアタッカーに飛躍した。その底力を本番でそのまま示せば問題ないはずだ。

「(南野、三笘不在の左シャドーのキーマンになる?)報道ではいろんな話が飛び交っていますけど、僕自身すごくチャンスではありますし、ここで力を示すことができるので、いい舞台にしたいと思います。それだけやれる自信は僕自身あるので、思い切ってやれればいいですね」

 本人もスターダムにのし上がろうと虎視眈々と狙っている様子。田中碧の7番への変更に伴い、今大会は17番を背負うことになるが、その番号は長谷部誠コーチが長らく着けていたもの。W杯3大会に出場し、日本をリードしたレジェンドのように、絶対的中心へと飛躍する鈴木唯人の姿を示してくれれば理想的。千載一遇のチャンスが目前に迫っている。

取材・文=元川悦子

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