習氏、態度軟化か=高市政権の対応見極め―中国

 【慶州時事】中国の習近平国家主席は高市早苗首相との初の顔合わせで、対話姿勢を打ち出した。高市氏が中国に一定の配慮を示していることを受け、態度を軟化させた形だ。高市政権が長期化することも想定し、今後の対応を見極める構えとみられる。
 習政権は、高市氏の歴史認識や、台湾の頼清徳総統との関係を警戒。習氏は国家主席に就いた2013年以降、日本の首相が就任するたびに祝電を送ってきたが、高市氏には祝電を送ったかどうか不明なままだ。
 報道ぶりも含め中国側の反応は高市氏に対して冷淡だったが、28日に行われた日中外相の電話会談では一転、王毅共産党政治局員兼外相が、高市政権の「積極的なシグナルに注目している」と表明。ハイレベルによる交流の重要性を訴えた。
 高市氏は就任直前、秋季例大祭に合わせた靖国神社の参拝を見送った。さらに、所信表明演説や日米首脳会談でも、高市氏が強硬姿勢をトーンダウンさせたと中国側は受け止めている。31日の会談で、習氏は歴史や台湾問題でけん制しつつも高市氏の対応を「中日関係重視の表れだ」と評価した。また、「高市氏の支持率が高く、政権が長続きすると見込んで関係構築が必要だと中国側は考えている」(外交筋)との見方もある。
 中国は安倍晋三元首相に対しても、第2次政権発足当初は靖国参拝などを厳しく批判し、日中関係は「戦後最悪」とも言われた。しかし、徐々に対話姿勢に転じ、習氏の国賓訪日で合意。訪日は新型コロナの感染拡大で見送られたが、関係改善が進んだ。
 習氏は、30日にトランプ米大統領と約6年ぶりに対面で会談したが、対米関係は依然、緊張をはらんでいる。習政権は米国との対立が長期的に続くと予想し、周辺国を取り込む一環として日本との関係も安定させる戦略を取っている可能性が高い。 
〔写真説明〕会談を前に、握手する高市早苗首相(左)と中国の習近平国家主席=31日、韓国・慶州(代表撮影・時事)

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